1.研究の目的と背景2.摺動面の計測原理■■キーワード:プレス成形,焼き付き,超音波金属板の成形において,金属の摩耗や潤滑油量のばらつき等により工具と板の間に大きな摩擦が生じると,互いに傷や焼き付きが生じ,加工荷重の増大や金型の損傷,工具寿命の劣化などの深刻な問題を引き起こす.摩擦トライボ状態を評価する試みとして,加工後の工具表面の評価■■,ガラス工具を用いた工具と板の接触面のその場観察 ■等が行われている.加工状態を常時監視する方法としてセンサーを活用した方法が盛んに検討されており,工具と被加工材の接触状態の監視方法として,超音波を利用した金属プレス成形の欠陥評価方法が有効であることが分かっている■■.さらに,検査結果が 次元画像で表示される超音波フェーズドアレイにおいても有効であることを確認している■■.本研究では,金属プレス成形における工具と被加工材の摩擦トライボ状態を超音波フェーズドアレイにより評価するために摺動装置を製作し,摺動面を可視化する手法について検証した内容を報告する.図1に金属プレス加工中の工具と被加工材の摺動面を超音波フェーズドアレイにより可視化する原理図を示す.圧下荷重を作用させて被加工材となる板を上型と下型で挟み込み,引抜き荷重を作用させることで被加工材が摺動する.上型は一部がガラスに置き換えられており,カメラ図1超音波フェーズドアレイを利用した摺動面の計測原理都城工業高等専門学校機械工学科( ■■■年度奨励研究助成(若手研究者)■■■ ■■■■■■■■ )准教授瀬川裕二3.摺動面可視化装置の製作■■を当てることで被加工材とガラスの接触面の様子を観察する.観察する接触面に向けて超音波フェーズドアレイを照射し,摺動中の接触面の変化を評価する.このとき,超音波フェーズドアレイはセクタースキャンで計測を行う.図2に摺動面可視化装置の構想を示す.油圧ハンドプレスおよびプレスフレームは製作する固定治具により横向きで金型に取り付けて,圧下荷重を作用させて被加工材を挟み込む.圧下荷重はロードセルを用いて計測する.装置は万能試験機に固定し,引抜き荷重を作用させて板を摺動させる.接触面の観察にはファイバースコープ,超音波計測には超音波フェーズドアレイ探傷器を使用した.探傷器には計測結果を映像で残す機能がないため,探傷器の前にビデオカメラを設置し,摺動中の超音波計測結果を記録する.ファイバースコープで記録された摺動面の観察動画と比較することで,超音波フェーズドアレイによる摺動面の評価の検証を行う.以上の構成をもとに,実験装置の製作を行った.装置の詳細は次項で述べる.図2摺動面可視化装置および接続する計測機器の構成図3に製作したプレスフレーム固定治具を設置した実験装置および計測機器の概要を示す.表1には計測機器等の仕様を示す.プレスフレーム固定治具は図4に示すように,シリンダ固定部,プレスフレーム固定部,万能試験機接続部の■つの部品で構成されている.シリンダ固定部とプレスフレーム固定部は分割面で上下 部品構成となっており,ボルト締めで上下締結することにより,シリンダ圧下荷重カメラによる接触面の観察フェーズドアレイプローブガラス工具下ダイスセクタースキャンの計測範囲被加工材引き抜き荷重万能試験機ファイバースコープ油圧ハンドプレスビデオカメラ超音波フェーズドアレイ探傷器被加工材上ダイス(ガラス工具)下ダイスロードセル− 337 −超音波フェーズドアレイを利用した金属プレス成形における焼付き現象の評価
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