助成研究成果報告書Vol.35
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λ:熱伝導率(W/mK),α:熱拡散率(m2/s),Cp:比熱(J/g・K),ρ:材料の密度(g/㎤)作製したAlN/長尺SWCNT焼結体を10mm角✕厚さ1mmに加工し,熱拡散率αをXeフラッシュアナライザー(LFA447Nanofrash,Netzsch)によって測定した.また,比熱Cpは示差走査熱量測定装置(DSC200F3,Netzsch)を用い-50℃~150℃まで比熱測定を行い,25℃における比熱を0.7J/g・Kであることを決定した.微細組織観察:AlN焼結対中の長尺SWCNTの分散状態をSEM(S-5000,日立ハイテクノロジーズ)により確認を行った.抵抗の高いサンプルは,オスミウムによる導電コー2.実験方法るために,極少量の0.1~0.4vol%の長尺SWCNTを含むAl2O3およびAlN複合材料の作製を行った.比較のために,一次元形状ではない等軸状のカーボン粒子も添加して導電相の添加量および形状がレーザー加工性に与える影響を調べた.また,導電相が連続相となったときには導電性も発現するため,放電加工性との違いについても調査した. ・■分散剤の効果本研究ではセラミックス粉末とCNTの混合において,アルコール中で超音波分散を行う.しかしながら,直径3~5nm 長さ100~600μm アスペクト比100000の長尺SWCNT(SG101,ゼオンナノテクのジー㈱)のアルコール中分散における分散剤の効果については報告されていない.まず,セラミックス粉末としてAl2O3粉末(TM-DAR,大明化学,平均粒径0.12µm)をモデルセラミックス粉末として用い,分散剤としては,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Sodium dodecylbenzene sulfonate, SDBS)(東京化成工業株式会社)ポリビニルピロリドンK25(polyvinylpyrrolidone,PVP)(和光純薬工業株式会社)を添加し,アルコール中で長尺SWCNTの超音波分散を行った.分散剤の評価としては,作製したAl2O3焼結体の電気抵抗率と相対密度から長尺SWCNTの分散剤を決定した.■■■■長尺■■■■■混合粉末の作製 ・ マトリックスとしてAlN粉末(高純度窒化アルミニウム粉末Eグレード,株式会社トクヤマ,粒径1μm),導電相として長尺SWCNT粉末を用いた.長尺SWCNTの添加量がAlNに対して0~0.4vol%となるように調整し粉末作製を行った.計量したAlNとSWCNTをエタノール中に分散させ,AlN中にSWCNTを均一に分散させるためにホモジナイザーを用いて,超音波分散処理を行った.分散したスラリーからエバポレーターを用い,温浴層に超音波を照射しながら溶媒を除去した.得られた乾燥混合粉末を,さらに45℃で24時間乾燥を行った.得られた混合粉末に存在する大きな凝集体を乳鉢により手動で破砕し,焼結用の複合粉末とした.■■■■長尺■■■■■焼結体の作製 ・■得られた粉末は,N2雰囲気中で30MPaの一軸加圧下,1700℃で1時間ホットプレス焼結(HP)を行った.昇温は,室温から1000℃までを真空で行い,1000℃で窒素ガスの導入と一軸加圧を印加し,焼結温度まで10℃/分で昇温した.また,AlN焼結体に関しては,熱伝導率や焼結性の向上を期待して,液相焼結を促進するY2O3(YT3CP,日本イットリウム株式会社,粒径0.5~2μm)を超音波混合時に1,2,5wt%添加し,同様に焼結体が作製された. ・■焼結体の特性評価電気抵抗率測定:カーボンの連続相が焼結体中に構築されているかどうかの判断は,電気抵抗率の評価によって行った.本研究では,103Ωcmより高抵抗のサンプルは,ガード電極付きの直流二端子法により定電流測定計(A65217,KEITHLEY)を用い測定を行い,抵抗の低いサンプルにおいては,低抵抗抵抗率計(ロレスタGPMCP-T610型,株式会社三菱化学アナリテック)で測定を行った.密度測定:相対密度は,焼結体の表面を0.5mm以上加工した後,トルエンを用いたアルキメデス法により,かさ密度を測定し,理論密度で割ることにより求めた.理論密度の計算には,混合した原料の組成から理論密度を決定し,熱処理による反応は考慮しないこととした.計算に用いた原料の密度は,AlN:3.26g/cm3,長尺SWCNT:2.00g/cm3,Y2O3:5.031g/cm3,CeO2:7.215g/cm3,MgO:3.34g/cm3,CaO:3.65g/cm3とした.熱伝導率測定:熱伝導率は以下の計算式により求めた.トを行った.レーザー加工:約10mm角×厚さ約1.5mmのAlN焼結体をファイバーレーザーとCO2レーザーにより加工した.ファイバーレーザー加工は,加工装置(YLS-600/6000-QCW-AC,IPGフォトニクス)を使用し,レーザー出力1.8kW,パルス幅0.3msec/繰り返し周波数25Hz,送り速度35mm/min,アシストガス酸素の条件で,レーザースポット径φ0.1mmを用い,φ1mmの穴あけ加工と直線の切断加工を行った(図2(a)).CO2レーザー加工は,加工装置(ML-3020D,三菱電機)を使用し,CO2レーザー波長10.6µm,レーザー平均出力60W/ピーク出力3kW,デューティー2%/繰り返し周波数60Hz,送り速度30mm/min,アシストガス酸素の条件で,レーザーのスポット径φ0.14mmを用い,φ1mmの穴あけ加工を行った(図2(b)).放電加工:10mm角✕厚さ1.5mmに加工した焼結体を放電加工機(ソディック社製)を使用し,加工電圧220V(コンデンサ容量約50pF)でφ1mmの細穴放電加工を行った.図 レーザー加工図面− 326 −λ=α×Cp×ρ

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