助成研究成果報告書Vol.35
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Short pulse Hexane(C6H14)laserMoHeated areaPressure by suppression of laser plasma by hexaneHexane provides oxygen-free condition→ Inhibition of oxide state formationLaser plasma(High temperature + high pressure)Carbon species from pyrolyzed hexane(Formation of radical)Laser ablated Mo particlesMaterial synthesis1.研究の目的と背景キーワード:短パルスレーザー,表面処理,炭化,ナノ粒子,耐摩耗性超短パルスレーザーは,熱影響層の発生を抑制できるため,高精度微細加工への利用が進められている■■ ■.近年,加工用超短パルスレーザーの繰り返し周波数は劇的に増加し,急激な高平均出力化が進んでいる.筆者らも,ポリゴンスキャナーによる超短パルスレーザーの高速走査により,自動車部品の摺動特性制御を可能にする高速レーザーテクスチャリング加工装置を開発しており,このような技術革新により加工速度が大幅に改善され,表面改質などのさらなる応用範囲の拡大が期待される■■■■.筆者らは,機能性表面の形成技術開発を行う過程において,超短パルスレーザー照射部(加工痕)の酸化が,ナノ秒のレーザーパルスを用いた場合に比べて起こりやすいことを見出した.フェムト秒レーザーパルスの場合,ナノ秒のレーザーパルスに比べて,ピーク出力が■桁程度高く,容易に大気中でプラズマが発生し,反応性の高い酸素ラジカルを作り出すとともに,照射対象を瞬時に加熱することで熱拡散の影響が少なく,極めて高い温度に達するため,効率的な酸化反応が期待できる.超短パルスレーザーの集光照射は,酸素以外でも,雰囲気材料のレーザー分解による反応性の高い原料供給と,照射対象の急激な加熱が可能であり,材料表面における物質合成が可能である.さらに,液中でのパルスレーザー照射により材料表面に加工硬化層や圧縮残留応力を付与する技術がレーザーピーニングとして知られており,表面での物質合成に加え,この効果も利用した表面硬化処理が可能となる.本研究では,炭化水素中での金属への超短パルスレーザー照射により,金属表面を炭化することによる硬化処理技術の開発を目的とする.ピーク出力の高い超短パルスレーザーの集光照射は,材料表面を局所的にかつ瞬間的に高温図■レーザー照射における雰囲気物質とターゲット材料の化学反応による物質合成のイメージ図.ここでの雰囲気物質はヘキサン,ターゲット材料はモリブデン.名古屋工業大学大学院工学研究科( ■■■年度一般研究開発助成■■■ ■■■ ■■■■ )准教授小野晋吾2.金属表面炭化と炭化ナノ粒子の形成状態にすることができる上,アブレーション時に発生する衝撃力によって高圧な環境も作り出す.さらに,雰囲気物質をレーザーによって分解し,ラジカルなどの反応性の高い物質を作り出すことができれば,材料表面に高活性空間を形成することができ,物質合成が可能となる(図■).図 にヘキサン中でのモリブデン基板へのレーザー照射の実験系概要を示す.自動二軸ステージ上に固定した■■基板をヘキサンで満たされた石英セルに浸す.対物レンズを用いてフェムト秒パルスレーザーを集光照射し,サンプルを移動させ走査する.この時レーザーの照射スポットサイズは,直径20µmである.図 ヘキサン中でのモリブデン板へのレーザー照射の実験配置.レーザー照射後のモリブデン基板を自然乾燥し,レーザー照射領域周辺を■■■で観察した結果を図■に示す.基板上に,多数の数十■■の粒子が付着していることを確認した.図■は粒子の粒径分布であり,計測に当たっては■■■図■基板のレーザー照射部周辺に付着したナノ粒子の■■■像.− 320 −ヘキサン中での金属表面へのパルスレーザー照射による炭化技術開発

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