図11 レーザ出力100W~500W, レーザ走査速度10mm/s ~100 mm/sの範囲で作製した試料の微視組織.レーザ照射条件:(a) レーザ照射前,(b) 500W-100 mm/s.図10TiC/FeAlサーメット製造のための原料粉末(混合粉末)の二次電子像(SEM)とEDS像表3各試料のビッカース硬さ//5.まとめ次に,混合粉末固化成形体にレーザを照射して,微視組織の変化を調査した.レーザ出力を100W~500W, レーザ走査速度10mm/s ~100 mm/sの間で調整した.各条件でレーザを照査した試料の微視組織を図11に示す.写真中の明部がFeAl,暗部がTiCである.図11(a)はレーザ照射前の試料である.図11(b)からわかるように,適切な条件でレーザを照射すると,硬質粒子であるTiCが微細化した.特に図11(b)に示す500W-100mm/sの条件では,大部分のTiC粒子が微細分散していることが明らかになった.これは,レーザを走査して加熱するというプロセスの特徴として,局所的に短時間・急速加熱であるので,溶解凝固時の冷却速度が速いことによる.一般にサーメット材料は硬質粒子が微細になると硬さが向上する.TiC/FeAl系サーメットでは,レーザ照射により微視組織を微細化でき,組織制御に有効な手法であることが明らかになった.ただし,レーザ走査速度を遅くすると材料の加熱時間が長くなるのでTiCが粗大なデンドライト状に成長してしまう傾向もみられた.表3にレーザを照射したTiC/FeAlサーメットとマトリックス材料であるFeAlの硬さを示す.比較のために,レーザを照射していない,焼結材料の硬さも示す.硬さを比較すると,まずTiCを添加することにより,試料の硬さが上昇することが明らかである.また,FeAl単体では,レーザ照射が硬さに影響を及ぼさない.すなわち,FeAlの硬さにはレーザ照射は影響しない.次にTiCを分散させたFeAlの硬さを見ると,焼結材と比べて,レーザ照射材料の硬さは有意に高いことが明らかである.これは図11に示したように,硬質粒子であるTiCの微細化によると考えている.上記の結果から,レーザを用いるL-PBFプロセスは粉末を固化して形状を付与するだけでなく,焼結のような従来プロセスでは得ることができなかった硬質粒子が超微細に分散する微視組織を呈する.すなわち優れた機械的性質が期待できることが示唆された.本研究では,サーメットへの複雑形状付与を目的に積層造形技術を適用することの可能性を探索するための基礎研究を実施した.鉄系サーメットとして,■■■ ■■■系サーメットと■■■■■■■■系サーメットを選択し,レーザ照射による組織の変化を調べた.Fe-Ti-B系は硬質粒子分散鉄基サーメットを合成でき,さらに高い硬質粒子の体積分率が得られることから,L-PBF法への適用が期待できることを示した.また,TiC/FeAlはレーザ照射による積極的な組織制御の可能性を見出し,高性能(高硬度)化が期待できる材料であることが明らかになった.L-PBF Fe3AlSPS Fe3AlL-PBF Fe16mass%Al 15mass%TiCFe-16mass%Al SPS 15mass% TiCMicrohardness [HV0.1]319.4±14322±18583.5±17.5487.4±50.2− 318 −
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