助成研究成果報告書Vol.35
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図11. 耐力値の実験結果と理論計算結果の相関関係図10■■高濃度窒素含有Ti積層造形体の引張強度特性-213.0435.4560.9766.1-135.8287.1387.8548.4--50.5-16.2-10.4-9.0-127.7164.5183.6226.7-253475554798H0.090.090.00200N0.030.290.731.061.76O0.47Ti-0.1 wt.% N0.43Ti-0.2 wt.% N0.51Ti-0.3 wt.% N0.51Ti-0.5 wt.% N0.53Δσy[C]= Δσy [GR] + Δσy[SS-N] + Δσy[SS-O]1)F. H. Froes,M. Qian: Titanium inMedical and Dental Applications, 1st ed. Duxford: Elsevier, (2018)34-37.2)M. Niinomi:3)日本チタン協会, チタン現場で生かす金属材料シリ4)S.L. Sing, W. Y. Yeong,F. E. Wiria:J. Alloys Compd., 660 (2016)461-470.Basic Materials Science, Manufacturing and Newly Advanced Technologies of Titanium and Its Alloys, 1st ed. Tokyo: CMC Publishing, (2009).4.結論謝辞参考文献前述した結晶集合組織の解析結果と引張強度特性について整理した結果を表2に示す.強化機構に関して,耐力値に着目し,基準となる純■■材の値との差異をΔσyとする.本実験で作製した試料では,α-Ti結晶粒と窒素および酸素の固溶量が異なることで前者による粒界強化,後者では固溶強化がそれぞれ発現する.一般に粒界強化Δσy[GR]はHall-Petchの経験式19), 20),Δσy [GR]= K(d0−0.5–d−0.5)を用いて算出する(K値は18.6 MPa/mm−0.5を使用21)).また,窒素と酸素の固溶強化量(Δσy [N-SS],Δσy [O-SS])の導出においてはLabuschモデル16)を用いる.その際に必要なシュミット因子Sf値は各試料のEBSD解析により測定した.また,固溶原子と刃状転位間に働く最大相互作用力Fmに関して,既往研究22)で導出した値(Fm[N]=5.21 × 10−10N, Fm[O]=6.22 × 10−10N)を用いた.その結果,理論計算により算出する強化量(耐力増加分)Δσy[C]は次式となる.表2に見るように窒素量の増加に伴って結晶粒の微細化が進行することで粒界強化量Δσy [GR]は増大する.一方で固溶強化量に関して,窒素量の増加によりΔσy [N-SS]は著しく増大しており,最大で強化量全体の約7割を占める.他方,酸素量はほぼ変化していないことからΔσy[SS-O]の値も多少の変化はみられるが,他の強化量と比較して相対的に小さいことがわかる.そこで,引張試験結果から算出した強化量Δσy[E]と上式により算出した結果の関係を図11に示す.両者は高い相関関係を有していることから上述した粒界強化と固溶強化に基づく理論式を用いて導出した強化量は,実験結果と良い一致を示しており,言い換えると,上述の計算式によって両強化機構に関する定量的な解析および高い精度での予測が可能であるといえる.表2.高濃度窒素含有Ti積層造形体の組織解析結果と引張強度特性および各強化因子の計算結果に関する総括Increase in calculated YS (MPa)Chemical compositions (at.%)本研究では,廉価な窒素成分を強化元素として活用し,高濃度窒素含有Ti積層造形体の高強度化を試みた.特に,積層造形法に適した純Ti球状粉末に対して窒素ガス雰囲気中での熱処理を施すことで表面が窒化物層で覆われたCORE-SHELL構造Ti-N粉末を開発した.この粉末と純Ti粉末の混合比率を変えることで窒素含有量を調整し,Ti-N積層造形体における結晶集合組織と力学特性の窒素量依存性を定量的に解析した.その際,強化機構の定量解析に関して,α-Ti結晶粒の微細化による粒界強化と窒素溶質原子による固溶強化に着目し,理論計算によってそれぞれを導出した結果,実験結果との良い一致を確認した.本研究の遂行に際して,公益財団法人天田財団より ■■■年度一般研究開発助成(■■■ ■■■ ■■■■ )を賜わりました.ここに深く感謝申し上げます.ーズ, 初版,丸善出版株式会社,(2011).350.1±6.9398.4±7.3602.6±43.5709.3±47.9825.8±2.1883.2±5.2904.0±28.3976.0±28.51148.0±3.81217.7±7.4SLM Ti-NspecimensPure TiMean grainsize (µm)Schmidfactor, SfYS, σy (MPa)UTS (MPa)Elongation0.34618.0±0.80.36526.7±1.20.37625.0±1.50.37921.7±0.80.3775.2±1.7TiBal.Bal.Bal.Bal.Bal.30.226.064.513.932.97Increase inσy [E] (MPa)(%)Δσy [GR]Δσy [O-SS]Δσy [N-SS]Δσy [C]− 312 −

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