図6Yb:YAG細ロッドによる高出力化図6は,対向励起法による追増幅出力の入力光パワー依存性である.横軸は2段目のYb:YAG細ロッドへの励起パワーによる前方励起法により増幅された1030 nm光のパワーであり,2段目の対向励起法のYb:YAG細ロッドに入射した1030 nm光のパワーに対応する.最大出力は68.8 Wであった.なお,Frantz-Nodvikの式により小信号利得計数と飽和フルエンスを評価したところ,小信号利得係数は約0.8 cm-1,飽和フルエンスは10.6 J/cm2であった.理論的な検討によると,小信号利得係数は0.759 cm-1,飽和フルエンスは8.2 J/cm2であることから,3)これらの値と近く,妥当な値が算出されたと考えている.図4Yb:YAG細ロッドによる高出力化図5はシード光と励起用LDの波長を変化したときの増幅光のビームプロファイルである.増幅光のビームの空間図5LDによる励起でのビームプロファイルファンによる空冷ができるとよいが,空冷では周辺部の空気に流れが発生することでレーザービームの空間プロファイルが乱れることがある上,除熱スピードも遅い.そこで,本研究では,簡便な方法であり,水冷銅ブロックにより強制除熱した.Yb:YAG細ロッドの円柱の横の面にインジウム箔で覆い,銅ヒートシンクと密着した.水冷のパイプを取り付け,上下2つのブロックでYb:YAG細ロッドを覆った.また,銅ヒートシンクの下のブロックは,X-Y-Z ステージに固定し,光学調整できるようにした. ・■実験結果前方励起法の増幅特性について述べる.図4は前方励起法によるYb:YAGロッドの励起レーザー入射面の表面温度の励起レーザー入力依存性である.励起レーザー入力が増加するとともにYb:YAGロッドの励起レーザー入射面の表面温度は増加した.プロファイルはほぼTEM00モードであった.詳しく解析するには,M2なども評価する必要があるが,本研究ではM2などのビーム解析をしていないため,TEM00モードであるとは確定していない.したがって,この段階では準TEM00モードと判断している.このほかにもビームサイズ特性,ビームの座標変化,ビーム移動量と温度変化も記録したが,これらについては紙面の都合から割愛する.前方励起法で増幅した1030 nm光を種光として,対向励起法により励起されたYb:YAG細ロッドにより増幅した.つまり,2段増幅した.二段目の対向励起法では,前方から940 nm LDを45 W,後方から969 nm LDを255 W入射し,最大300 Wを入射した. ・■まとめYb:YAG ロッドを増幅媒質とする高繰り返し高平均出力レーザー増幅システムを構築し,増幅方式と出力特性を明らかにした.具体的には,繰り返し周波数が5kHzで動作するYb:YAGロッド媒質増幅器を構築した.前方励起増幅システムの出力特性(出力,ロッド表面温度,ビームプロファイル)を明らかにした.前方励起での最大出力は1.2 Wであった.励起光入射面の方が低温(100C),出射面の方が高温(200C) であった.ビームプロファイルは準TEM00モードであった.対向励起時の最大出力は68.8 Wであった.(a) シード光,(b) 969nm LDによる励起,(c) 940 nm − 278 −
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