4.理論計算の検証Energy meter / Beam damperNd : YAG Laser2 ps, (b) Tl at 2 ps, (c) Teat 40 ps, (d) Tlat 40 ps)非定常の温度上昇は金薄膜内に温度分布を生じながらの現象であることが図5からわかる。この時間領域では全体として電子温度は上昇し、格子温度は低下する。また、図5(a)と(b)から、電子、格子温度ともに照射後2 psではまず照射側の温度が高いものの、40 ps後の図5(c)と(d)では断熱の境界条件で模した空気と接する側の温度が高くなる傾向がわかる。図5対称軸上での薄膜内厚さ方向温度分布((a) Teat一方今回のモデルでは電子のバリスティック輸送の効果を取り入れている。図6はその効果を取り入れなかった場合との比較を示したものであり、図から明らかなように、バリスティック輸送を考慮することで電子、格子温度分布の平坦化がもたらされている。計算結果より、現象としては、薄膜全域でほぼ均一に温度が上がり相変化をもたらす事が考えられる。図6電子のバリスティック輸送(EBT)の効果(左上:Te, EBT無し、右上:Te, EBT有り、左下:Tl, EBT無し、 右下:Tl, EBT有り)図7に薄膜内の格子温度分布を示す。図のように比較的一様な温度分布が得られ、全域で相変化を生じて転写が生じる事が考えられる。図7薄膜内格子温度分布(t= 40 ps、(a) 0.96 J/cm2、4・1実験の概要理論計算はシングルショットの結果であり、これとの比較のためにシングルショットによりLIFTの閾値を求めるための実験を行った。図8に実験装置を示す。実験で用いたレーザは波長532 nmのNd:YAGレーザでパルス幅5.5 ns、ハイスピードビデオカメラは220,472 fpsである。また、観察のためドナー基板とターゲット基板の間隔は1 mmとした。図8実験装置の模式図(b) 2.5 J/cm2)Half-wave plateNd filterPBSUSB cameraDonor substratew/goldfilmHigh-speed cameraTarget substrate− 254 −
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