助成研究成果報告書Vol.35
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ff■■ a-cut サファイアとのサンドイッチ構造. 図■■■ff■■ a-cut,ff■■■c-cutサファイアとの接合体写真. 示すようなa-cutサファイアとYb:YAGセラミックスのサンドイッチ構造の接合にも成功しており,高い透過特性が得られている. 各接合体に対して,Nd:YAGセラミックスの場合と同様の共振器を構成し,レーザー入出力特性の比較を行った.励起光源には波長940 nm,コア径100 mのファイバー結合型半導体レーザーを用いた.また比較のためYb:YAG単体に対してもレーザー特性を評価した. 図■にレーザー特性の結果を示す.いずれの接合体においても励起光源の増大に伴い熱問題が発生することに起因したレーザー出力の低下が見られたが,その現象はYb:YAG単体において最も低い励起パワーで生じており,サファイアとの接合枚数が増大するほど熱問題が発生しにくいことがわかる.このことからサファイア伝導冷却効果が確認できた.また各試料でスロープ効率や発振閾値に大きな差が生じていないことから,接合体内での損失は無視できるほど小さいことがわかる.さらに,接合したサファイアの結晶方位がレーザー伝搬方向に対して異なっていても,出力特性に大きな差は生じておらず,c-cutサファイアとの接合においても高品質な接合体が得られたと考えられる. 図■:サファイア/Yb:YAGセラミック接合体のレーザー入出力特性. 図■■ サファイア/Nd:YAGセラミック接合体のレーザー入出力特性■■. 図■■■■インチ径のサファイア/Nd:YAG接合体■■. 3・2■サファイア/■■■■■■セラミックス接合体■本研究では,Yb:YAGセラミックスに対しても接合試験を行った.Nd:YAGセラミックスとの接合ではa-cutサファイアを用いたが,今後レーザー材料として利用する場合は複屈折による偏光解消が生じないc-cutサファイアとの接合実証も重要である.一方,サファイアとYAG間の熱膨張率の違いはc-cutサファイアとの接合の方が大きくなるため,同条件で接合可能かどうかを調査する必要がある.さらに,サファイア/YAG/サファイアのサンドイッチ構造の接合体が作製できれば,レーザー材料を両面から伝導冷却できるため,より効果的と考えられる.本節では,これらの原理実証とレーザー特性を評価した. 図■に各接合体の写真を示す.図■ff■■のa-cutサファイアとの接合では,Nd:YAGの場合と同じ接合条件で高品質な接合体が得られ,接合後の透過波面はλ/3程度であった.図■ff■■のc-cutサファイア/Yb:YAGセラミックスの接合では,熱膨張の違いから同じ接合条件では接合はできなかったが,より高温あるいは長時間の適した接合条件を見出し,良好な接合体の作製に成功した.さらに,図■ff■■に(a)(b)(c) − 245 −

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