助成研究成果報告書Vol.35
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キーワード:レーザー,パルス通電接合,サファイア ■1.研究の目的と背景 近年,新規加工技術として超短パルスレーザー加工が注目を浴びている.パルス幅がピコ秒程度のため非熱的加工が可能であり,高速精密マイクロマシニング,軽量複合材料の切断や孔空け,透明材料の内部加工等,多くの応用研究が進められている.一方,現在市販されているパルスレーザー光源はフォトンコストが高いことから,レーザープロセッシング分野の発展には安価かつ高平均出力超短パルス光源の開発が重要である.■キロワット級の高出力超短パルスレーザー光源を実現するには,レーザー材料で発生する熱問題(波面歪,熱レンズ効果,熱複屈折等)と表面ダメージ問題の両方の解決が重要である.前者は主にレーザー材料内部で発生する温度勾配に起因し,高平均出力レーザー開発の共通課題となっていることから,レーザー光が熱の影響を受けないよう適した材料形状の選定と十分な冷却手法の確立が重要である.■有効な冷却手法として,高熱伝導透明材料を用いた伝導冷却が提案されている1,2).高い廃熱が可能なことに加え,レーザーの伝搬方向に廃熱できることから径方向の温度勾配を低減でき,熱問題が抑制できる.さらに近年では,サファイアやダイヤモンドとレーザー材料との接合体が開発されており,その効果が示されている3―5).このような異種材料の接合は,通常の熱拡散接合では材料間の熱膨張差が悪影響を与えるため困難であることから,表面活性化接合法が用いられている.■我々は最近,異種光学材料の新しい接合法としてパルス通電接合を提案し,■■■■■■セラミックス/サファイアを用いた接合の原理実証を行った6).大口径試料の接合にも取り組んでおり,本接合法は今後の高出力レーザー用の光学部品として期待できる.その一方で,パルス通電接合により得られた接合体の基本的な光学特性(透過波面,偏光特性)や,初期面精度が接合体の光学品質に与える影響についての知見は得られていなかった.今後,本接合体を用いた高出力パルスレーザー光源を開発する上で,これらの評価は重要である.このような背景から,本研究では上述の光学特性の評価や,最適な接合条件の探索を目的として研究を実施した.■ 北見工業大学■地球環境工学科■( ■■■年度■一般研究開発助成■■■■ ■■■ ■■■■■) 准教授■古瀬■裕章■2.実験方法  ・■■パルス通電接合■図1に,パルス通電焼結装置(■■■■)の原理図を示す6).本焼結法は,真空中または不活性ガス雰囲気中で試料を一軸加圧しながら加熱処理をすることができる.類似の焼結法にホットプレス法があるが,主な違いは上下部の電極間に1キロアンペア程度のパルス電流が印加され,瞬時(例えば■■■℃■■■■)に試料を加熱することができる点である.粉体の焼結では比較的低温で緻密化が完了することが知られており,種々の機能性セラミックスの作製に用いられている.■接合体の開発に関しては,異種の金属間,金属とセラミックス,異種のセラミックス間等で報告がある7).本接合手法も一種の熱拡散接合と言えるが,低温熱処理が可能であることから熱膨張の違いによる悪影響が低減されると考えられる.一方,透明材料の接合に関しては著者らの報告以外にはほとんど報告されていない.■本研究では,市販のサファイア単結晶(φ■■■■■■■厚み■ ■■)と■■■■■■(■■■■■■)セラミックス(φ■■■■■,厚み ■■■)を使用した.接合界面の初期面精度が接合体に与える影響について調査をするため,サファイア単結晶はλ■■■に,■■■■■■セラミックスはλ,λ■■,λ■■■程度に光学研磨を施した.図 に試料構造を示すように試料を接着した図1:パルス通電接合法の原理図■■.■− 243 −高出力超短パルス加工光源を目指した 大口径サファイア/■■■接合体の開発

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