図10に,35W3s,35W 3s加熱後15W→0W 3.42sの出力低下を行ったAg–Cu–Ti (No. 4,5)の断面EPMA面分析結果を示す.A)に示すTi 1.68% 35W 3s加熱後急冷の場合,TiおよびNの分布状況から界面に連続した界面反応層(厚さ約1.4µm)が形成していた.これはTiNと考えられる.C)に示すTi 1.68% 35W 3s加熱後15W→0W 3.42sの出力低下を行った場合,TiN界面反応層の厚みについては約2.4µmと急冷の場合と大きな差は見られなかった.一方,TiNのろう材側にCu–TiのIMC7)と見られる島状のCuおよびTiの濃化領域が観察された.この部分は,図9にお図9 Ag–Cu–Ti(No. 2~5) の断面SEM観察結果(反射電子像)なお,35W 5s急冷試料については,試料切断時に基板から剥離したため,断面観察を行っていない.ケイ素との界面部分に黒いコントラストの結晶粒の成長が観察された.Ti添加率2.8%の場合,いずれの加熱条件でも他のろう材組成と比べてろう材母相の結晶粒が粗大化した.特に35W3s, 5s, 35W 3s加熱後15W→0W 3.42sの出力低下を行った場合,柱状組織が窒化ケイ素との界面部分からろう材母相側に成長している部分が観察された.A) Ti 1.68% 35W 3s加熱後急冷C) Ti 1.68% 35W 3s加熱後15W→0W 3.42s冷却Ti添加率1.68%の場合,0.8%の場合と比べていずれの加熱条件でもろう材母相の結晶粒が大きくなった.特に窒化a)反射電子像b)Agc)Cud)Ti e) N f)Si図10 Ag–Cu–Ti (No. 4, 5)の断面EPMA面分析結果D) Ti 2.8% 35W 3s加熱後15W→0W 3.42s冷却B) Ti 2.8% 35W 3s加熱後急冷− 232 −
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