助成研究成果報告書Vol.35
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のEPMA面分析結果(高倍率)のEPMA面分析結果図6 Ag–Cu–In–Ti (No. 1) 30W 5s加熱後急冷試料断面図5 Ag–Cu–In–Ti (No. 1) 30W 5s加熱後急冷試料断面図4の30W 5s加熱後急冷した試料断面上半分のろう材部分には,微細な共晶組織の中に球状の暗いコントラスト部分が多数存在していた.図5に示す同視野のEPMA面分析結果から,母相の主な組織はAg–In–Cuであり,InについてはAgの濃度が少し低い部分に網目状に分布していた.また,母相中に分布している球状の部分はCuならびにTiが濃化している領域であることが分かった.この部分はCu–Tiの金属間化合物(以下IMC)であると推察される7).IMCが球状となっている理由は,IMCの融点が母相の融点よりも高温であるため,IMCが先に晶出することが原因と考えられる.図3c)の温度測定プロファイルから,同試料のろう材が融点(710℃)以上に加熱された時間は1.8秒程度であったことがわかる.このことから,2秒未満の短時間の溶融状態であっても窒化ケイ素との界面にTiNの界面反応層図4 Ag–Cu–In–Ti (No. 1) の断面SEM観察結果(反射電子像)a) Agb)Cuc)In d)Ti e) N f)Si窒化ケイ素との接合界面には,Tiが層状に連続分布していた.図6d)およびe)に示すように,このTi層状分布部はNの分布と重なっており,窒化ケイ素とろう材の界面にはTiNが形成されていることが分かった7).が連続して生成することが確認できた.また,図6b)およびd)に示すように界面反応層(TiN)のろう材側には部分的にTiおよびCuが凝集している部分が見られた.これは,窒化ケイ素との反応に寄与しなかった過剰のTiがCuと反応し,Cu–TiのIMCを形成したものと推察される.ろう材母相中に存在する球状のCu–TiのIMCは,界面から7µmくらいの距離には存在していない.この原因としては,ろう材溶融時の界面へのTi供給速度が影響しているものと推察される.上述のようにろう材溶融時間が短い場合は,界面付近に存在するTiが窒化ケイ素中のNと反応し,界面反応層(TiN)を形成するものの,界面から離れた母相中のTiが界面まで流動供給される時間的余裕がなかったことが原因と考えられる.このため,反応に寄与しないTiが母相中に残存する結果となった.図4に示すように,レーザ出力を上げた40W 5sの場合では,IMC欠乏層は10µm程度となっている.これは高温まで加熱されたろう材の粘度が低下し,また溶融状態が4秒程度継続したために界面部分へのTi供給量が増加したものと推察さa) Agb) Cud) Tie) Nc) Inf) Si4µma) Agd) Tia) Agb) Cue)Nb)Cuc)In d) Ti e) N c) Inf) Si4µmf)Si− 230 −

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