H2O(30 mL)図6にレーザーアブレーション後の合金インゴットの例を示す。〇印の部分に小さな穴が開いており、ターゲット表面でアブレーションが生じたことが分かる。図7にレーザーアブレーション中における反応液の状況を示した。20 cm2.実験方法YAGレーザー・波長: 532 nm・繰り返し周波数: 20 Hz・アブレーション時間: 30 分3.結果と考察■■■■材料作製それぞれの元素の混合粉末を原料とし、アーク溶解によって、合金インゴットを作製し、インゴット自体の元素分析をXRFによって行った。表1に結果を示すように、粉末の混合仕込み比とほぼ同じ組成の合金となっていることが明らかとなった。得られたインゴットは金属光沢を有し均一であった。表■■■作製した合金インゴットの元素組成(■■■)Ni493426得られたインゴットについて合金状態を検討するためにTG-DTA測定をおこなった。DTA曲線から合金の融点を求めたところ、Fe-Ni合金が1443℃、Fe-Co-Ni合金が1467℃、Mn-Fe-Co-Ni合金が1273℃であった。これを文献値と比較すると、Fe-50%Ni合金は1440℃、Fe-33%Co-33%Ni合金が1457℃であるとされ、ほぼ測定値と一致していた。4元系は相図がないため融点の文献値はないが、融点の低いMnが添加されているために、ほかの合金よりも低い融点であることで矛盾はない。つまり、いずれも合金化がうまくいっていることが明らかとなった。■■ レーザーアブレーション図5に示すようにパルスレーザーをインゴットに照射するための装置系を組んだ。ターゲットとなるインゴットの水中でのレーザーアブレーションを試みた。パルスレーザー光がインゴット表面に集光するように、焦点距離20 cmのレンズを使用した。照射をはじめるとパチパチと音が聞こえるようになり、それと同時に発光も見られ、プラズマプルームの発生が観察された。これに見られるように、アブレーションによりインゴットからナノ粒子が生成すると分散液が茶色くなっていくことが確認され、粒子が生成していることが分かった。図■レーザーアブレーション後の■■■■■合金インゴット。一般に金属合金ナノ粒子の合成においては、プロセス手法として一般の合金のような溶解→鋳造→鍛造プロセス以外に、水溶液系などでの「めっき」や、合金表面を酸で処理することによるリーチングによるミクロンサイズ構造の制御など、多彩なプロセスが適用できる。その中でも、凝集法・化学法の一種である金属イオン還元法が用いられることが多い。このとき、酸化還元電位が支配する環境になるために、HEAナノ粒子を合成するためには同じ環境場に多元素の原子をすべて放出する必要がある。そこで、金属元素を系内に同時に放出しそれを非平衡的に凝集させることがHEAナノ粒子の合成に必要と考えられることから、本研究ではあらかじめ合金塊を作製した後、それをレーザーアブレーションによってナノ粒子化することを考えた。まずは、本研究において遷移金属塊を試験的に製造した。Fe、Mn、Co、Niを対象元素として個々の元素の粉末を混合した。その混合体をアーク溶解を用いてFe-Ni、Fe-Co-Ni、Mn-Fe-Co-Ni合金のインゴットを作製した(例:図4)。それぞれの合金インゴットの元素組成をXRF分析で、融点をTG-DTAで評価し、平衡状態図と比較した。まず、液中プラズマ法でも簡便なレーザーアブレーション法を用いてナノ粒子を合成することとした。得られたインゴットを水中に沈め、YAGパルスレーザー(532 nm、20 Hz、GAIA-II)を20cmの焦点レンズを通してインゴット表面に集中させて照射した。(図5)得られたナノ粒子分散液の内容物についてTEM、STEMで観察し元素分布を評価した。図■■■■■■■■■合金インゴット。図■■■レーザーアブレーション法の模式図。反射鏡レンズ(焦点距離: 20cm)アルミニウム箔ターゲット合金Fe-NiFe-Co-NiMn-Fe-Co-NiMnFe51332227Co3325− 224 −
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