3.工具サーボを用いた微細テクスチャ加工■・ 超磁歪素子駆動工具サーボ構築した工具サーボを搭載した加工システムの有用性を確認するため,基礎的な加工実験を行いその加工結果を評価した.加工実験では,(i)リニアモータ駆動Z軸ステージによる工具位置決め,(ii)工具サーボによる工具位置決め,の2つの制御で溝切削中の底面への微細パターンに創成を行った.加工条件は表■に示すように,一定速度でX方向に工作物を送りながら,0.2sおきにパルス幅0.05s,深さ5µmの指令値を与えることで,微細パターンの加工を行った.表■溝底部へのテクスチャ創成加工条件工具工作物主軸回転速度送り速度(X)テクスチャ深さ工具サーボ駆動パルス幅テクスチャピッチ切削液図■に加工後の溝部の測定形状を示す.測定は干渉式の表面形状測定機により行った.図に示すように,いずれの駆動方式の場合も,切込み量のパルス指令に応じて溝底部へ微小深さのパターンが形成されていることが確認できる.しかし,リニアモータ駆動Z軸ステージで切込みを与えた場合,微細パターンと溝底部の境界が不明瞭になっていることが確認できる.一方,開発した緒磁歪素子駆動工具サーボを用いて切込みを与えた場合,一段深くなっているパターン部を明瞭に確認することができる.図■の測定結果において,X軸に沿った溝中央ラインにおける断面形状を図Xに示す.断面形状から明らかなように,Z軸ステージでは段差部が斜めになっていることが確認でき,X軸方向の送り速度に対して,Z軸方向の切込み量変化の速度が十分に間に合っていないことが原因と考えられる.またこの応答性の低さに起因して,実際の切込み変位が指令値である5µmに達する前に指令値パルスが戻ってしまい,加工後の形状が指令値通りに加工されていない.一方,工具サーボを用いて切込みを与えた場合には,固定され,コイル外周に設置されたウォータジャケットによって常時冷却されている.さらにZ軸ステージに固定された計測フレーム上に工具変位測定用の静電容量変位計を固定することで,主軸自体の熱変形の影響を抑制した構造としている.このような構成とすることで,通常の三軸加工システムとして工作物の形状を切削加工で創成すると共に,図■に示すように加工中のXYZ軸運動と同期して工具サーボの変位を高速に制御することで表面テクスチャを同時に付与することが可能となり,テクスチャを有する三次元曲面の高能率創成が実現される.図 構築した三次元加工システム図■位置決め指令値の割振り■・■超磁歪素子駆動工具サーボ工具サーボを用いた位置決めの応答性を確認するため,位置指令値に対する実際の周波数応答を評価した.実験は工具サーボシステムの指令値に掃引正弦波を入力し,工具変位測定に組み込んだ静電容量変位計の出力までのボード線図を測定することで評価を行った.図■に測定したボード線図を示す.図に示すように,指令値に対して応答が-3dBとなるバンド幅で,約370Hzであった.この応答性は,一般的な加工システムにおけるボールねじ駆動あるいはリニアモータ駆動のステージに対して十分に高速であり,微細テクスチャの創成に有用であると考えられる.図■工具サーボ系の応答性評価超硬スクエアエンドミルφ0.2,2枚刃A2017P15,000min-15mm/s5µm0.05s1.0mmケロシン− 220 −
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