1.はじめに2.実験方法キーワード:熱間鍛造,酸化スケール,直接観察熱間鍛造で生産される素形材は重量比で■■■を占める主力塑性加工製品である.しかしその金型寿命は熱負荷の影響もあって冷間鍛造型に比べて 桁から■桁低い生産個数にとどまっている1).この状況を改善するために黒鉛系をはじめとした潤滑剤が活用されている.現在は環境面を配慮して黒鉛系からカルボン酸塩主体の非黒鉛系潤滑剤が多用されるようになってきた.しかし潤滑性能に関して十分とは言えず一層の高性能化が望まれている.一方,鉄鋼材料の熱間鍛造においては被加工材料の加熱時に生じるいわゆる酸化スケールが材料歩留まりや製品面性状,潤滑性能に影響するといわれている.通常熱間鍛造では予成形によっていわゆる一次スケールといわれる表面の厚い酸化膜は除去されて成形が行われるが十分取り除けないで本成形に移行せざるを得ない場合もある.残存したスケールは製品表面に傷をつけたり金型の摩耗を促進したり一方では高温成形において潤滑作用をもたらすなどいろいろな影響を与える2).しかし潤滑剤とどのように関係して摺動特性に影響するのかはほとんど知られていない.そこで今回実加工における脱スケールを模して,摩擦試験に供する前段階で加熱した被加工材からスケールを取り除き,そのまま連続して摩擦試験を行う装置を考案した.これを用いてスケールを取り除いた場合(脱スケールと称す)と炉加熱のまま摩擦試験を行う場合(加熱まま)との違いを比較した.また独自に考案した摩擦摺動界面の直接観察装置により両者の違いを動的に把握した.さらに試験後の表面観察を行って摩擦試験結果に及ぼす酸化皮膜と潤滑剤の関係の一端を明らかにした. ・■摩擦試験機の概要図1に,実験に用いた摩擦試験機の外観を示す.しごき加工時の加工摺動界面を観察できるようにマイクロスコープを介して高速度カメラが設置されている.図2に示すようにダイスの中央に耐熱ガラス製の工具をはめ込むことでダイス表面に塗布した潤滑剤越しに被加工材の摺動面を観察できるようになっている.通常の摩擦試験時にはすべて工具鋼製のダイスを用いる.被加工材の加熱は試験機近くに設置した赤外線イメージ炉で行う.岐阜大学スマート金型技術研究センター( ■■■年度一般研究開発助成■■■ ■■■■■■■■ )特任教授土屋能成図1その場観察機能付き摩擦試験機図 摩擦試験時の主要部と観察工具− 214 −その場観察機能付き熱間2工程摩擦試験機の開発及び摩擦挙動に及ぼす潤滑剤と酸化スケールの相互作用の影響
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