助成研究成果報告書Vol.35
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図15は得られたAl2O3膜およびTiN膜におけるヤング率とビッカース硬さをAIP法により作製したTiN膜と比較した結果である.Al2O3膜については,各流量での平均値を示している.AIP法によって作製したTiN膜の平均のヤング率はおよそ300 GPaであるがAD法により作製したTiN膜やAl2O3膜の平均のヤング率はおよそ220 GPaであり,AIP法により作製した膜よりも30%程度低い値であった.ビッカース硬さについては,AIP法によって作製したTiN膜では1850HV程度であるが,AD法により作製したTiN膜やAl2O3膜のビッカース硬さはそれぞれ1200 HV■・■膜の結晶配向図11はAl2O3粉末についてガス流量を20 L/minとして成膜した時の(0001)正極点図である.(0001)面が成膜面に15°程度傾いた繊維集合組織が形成した.また,最大極密度はランダムレベルの9倍程度であり,発達した集合組織であることがわかる.膜が形成するいずれのガス流量による成膜でも同様の集合組織が形成されることが見出された.図12はTiN粉末についてガス流量を25L/minとして成膜した時の{001}正極点図である.{001}面が成膜面に平行となる繊維集合組織が形成した.最大極密度こそ,ランダムレベルの2.2倍程度であったが,主成分の位置から15°以内の極の集積の割合は17%程度であり,比較的結晶配向した膜であることが分かった.得られた集合組織は,膜が形成するいずれのガス流量においても同様な集合組織が形成され,またガス流量にかかわらず,集合組織の発達度はほぼ一定であった.{001}面が基材面に配向していることから,膜の高い耐摩耗性が期待できる.■・■力学特性図13はAl2O3膜およびTiN膜のガス流量にともなうヤング率の違いを示している.Al2O3膜では,ガス流量の増加とともに,膜のヤング率が上昇する傾向が見られる(図13(a)).一方,TiN膜では,ガス流量によらず,ヤング率はほぼ一定となっている(図13(b)).ガス流量にともなうビッカース硬さの違いを図14に示す.Al2O3膜では,ガス流量の増加とともに,膜のビッカース硬さが上昇する傾向が見られた(図14(a)).一方,TiN膜では,ガス流量によらず,ビッカース硬さはほぼ一定となっている(図14(b)).− 193 −

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