図10 インライン熱間圧延後の組織に対する圧延温度の 200μm (c) インライン熱(500℃)・冷間圧延冷間圧延・焼なまし インライン熱間圧延板の引張強さは,冷間圧延・焼きなまし後より大きく,伸びはインライン熱間圧・冷間圧延・焼きなまし後の方が大きかった.インライン熱間圧延時の温度が400℃と500℃の場合を比較すると.500℃の場合の方がインライン熱間圧延の圧下率の影響が大きかった.インライン熱間圧延温度が500℃のときは,36%から49%になると,引張強さが,インライン熱間圧延後,およびその後冷間圧延と焼きなましを行った両場合において急激に引張強さが低下した.これは,板の内部に半凝固状態の部分が存在し,高圧下率で引張強さが低下する何らかの影響があったと考えられる.詳細は不明である.500℃の場合,インライン圧延後の伸びは圧下率に対して,ほぼ均一になっている.これを考慮すると,引張強さの圧下率が49%のときの低下は,表面の割れの影響では無いと考えられる. 4.6 インライン熱間後,および焼きなまし後の組織 インライン熱間圧延後の組織に対する圧延温度の影響を図10に示す.インライン熱間圧延の温度が500℃を除くと,せん断変形の痕跡があった.また,温度が300℃から450℃になるに従い,せん断変形は大きくなった.これは温度が高くなるに従い,変形抵抗が小さなるためと考えられる.300℃の場合は,中心線偏析の痕跡が残っており,内部の欠陥の改善は,完全では無いと考えられる.インライン熱間圧延の温度が400℃以上では,中心線偏析は改善できたと考えられる.圧延温度が450℃の時は,表面近傍で再結晶が起こっていた.表面近傍では,再結晶粒は非常に微細化していた.圧延温度が,500℃の場合は,板の内部まで再結晶していた. 図11に(a)鋳造板を冷間圧延後に焼きなました板の組織,(b)鋳造板を300℃でインライン熱間圧延後に冷間・焼きなました板の組織,(c)鋳造板を500℃でインライン熱間圧延後に冷間・焼きなました板の組織を示す.(a)の冷間圧延だけの場合は,偏析が残っていた.(b)のインライン熱間圧延温度が300℃では,冷間圧と延焼きなましで中心線偏析は改善し,再結晶粒も微細であった.(c)のインライン熱間圧延を500℃で行った場合は,中心線偏析は改善しているが,再結晶粒は粗大化した.これが,引張強さが低い直接的な原因であると考えられる. 5. まとめ インライン熱間圧延は,高速双ロールキャスターで鋳造した板に発生する,表面割れや偏析を改善することができ,引張試験の結果も向上した. 終わりに,多大なご支援を賜りました公益財団法人天田財団に深く感謝いたします. 影響.鋳造荷重13N/mm (b) インライン熱(300℃)・冷間圧延冷間圧延・焼なまし 図11 インライン熱間圧延・冷間・焼きなまし後の板の断面組織.板厚0.5mm.鋳造荷重13N /mm 中中⼼⼼線線偏偏析析 (a) 鋳造板の冷間圧延・焼なまし 偏偏析析 mmmm55..00− 146 −(a) 300℃ (c) 450℃ (b) 400℃ (d) 500℃
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