図6(a) ニューラルネットワーク(NN)アーキテクチャーfDG: 動的球状化率,εc: 動的球状化が開始する臨界ひずみ量,εP:降伏後に応力値がピークとなるひずみ量,k:動的球状化における速度係数,Q1: 速度係数における活性化エネルギー,n: アブラミ指数.上式における各種定数においては実験データ(データセット)から非線形回帰分析から導出した(k0=496.8, m1=0.241, Q1=86.8 kJ/mol, n=2).(3)(4)が動的復旧過程として支配的に起きた事が推察できる.ここで,図.5よりBimodal出発材と比較してラメラ出発材の方がより微細なβ等軸粒が生成しており,高角粒界頻度も高い事に気付く.これはラメラ出発組織ではα/β相界面の表面積がより大きく,この相界面にてより集中的・多量にひずみ(転位)が集積して,これを起点としてβ相のCDRXが促進されるためであると推察できる.このように,ラメラ形態では不均一変形を助長するものの,β相においてはCDRXが促進化され高角な微細粒が形成されやすい.■■ .α相の動的球状化現象における数理モデルff■■■■則■と機械学習■■ ■■.■■■■則および機械学習に基づいた動的球状化現象の構成モデルここでは,Ti-6246合金におけるαラメラの動的球状化現象に着眼して,現象論および機械学習を援用して,作用機構を推定するとともにプロセス因子(加工温度・相当ひずみ速度・相当ひずみ量)の影響度を定量化した.現象論における構成モデルではJhonson-Mehl-Avrami-Kolmogorov(JMAK)則を基に(3)の修正式を採用した.このJMAK則では一般に再結晶(動的・静的)に適用されるモデルではあるものの,Ti合金での動的球状化現象においても適用できる報告があり10-12),本研究でも同様に取り扱うものである.以下のような構成式から動的球状化現象を表現した.また本研究では予測モデルにおいて機械学習も採用している.最近では,データ駆動型の機械・深層学習を駆使した予測技術の進展が目覚ましく,材料科学の分野でも“マテリアルズ・インフォマティクス”の概念の下,データ科学を駆使した材料開発が強く特に注目されている.様々な機械学習のアルゴリズム2)の中でニューラルネットワーク(NN)は入力層,中間層,出力層の各々にユニット(もしくはニューロン)と呼ばれる非線形演算子を配置し,ユニット間で重み係数を最適化して,複雑に連関する現象を表現・予測する手法である.この機械・深層学習では統計学的処理が基本であり,これを利用した回帰・分類から直(5),接的に物理現象を考察する事は困難である.ここでNNのアーキテクチャー(図6(a))では入力層として鍛造条件の温度,相当ひずみ速度および相当ひずみ量を設定した.また入力層と同数のユニットで,組織因子(α相の動的球状化率)を出力層として勾配降下法により学習(最適化)を実施しNNの回帰を行った.ここで各ユニット間をリンクする活性化関数ではシグモイド関数[1/(1+e-x)]を採用している.図6(b)は動的球状化率における先述したJMAK則およびNN解析した結果で,実験結果と比較した結果をまとめている.これより,両者ともにある程度の相関性は観察されるものの,バラツキが大きく精緻に回帰できていない事が分かる.今回はすべての加工条件(加工温度750℃~1050℃,ひずみ速度10-4s-1~1s-1,相当ひずみ量0~1.5)を包括的に上記したモデルに導入して回帰しているために,動的球状化現象がすべての加工条件で同様な機構が作用している事を前提としている.そのため,加工条件に依存して球状化機構が変化した場合は想定できておらず,結果として図6(b)で示したようなバラツキの要因ともなる.そのため,全体の加工条件を包括的に回帰するのではなく,加工条件をクラスタリングしてそれぞれのクラスター毎で回帰して実験結果(動的球状化率)との相関性を評価した.ここでは機械学習として,教師無し学習である階層型クラスタリング(Ward法)で加工条件を3グループにクラスタリングして,それぞれのグループ毎でJMAK則における非線形回帰および機械学習でのNN回帰を実施した.図7はグル(b) JMAK則・NN回帰(球状化率)での予測値と実験値関係− 139 −
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