助成研究成果報告書Vol.35
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図12 TypeB ホイール(右)FEM解析結果(左) dia. [mm] 200 20   Wheel th. [mm] 50.8 10.0 Abrasive Spec. Shape Wheel 14A1 Layer th. [mm] Normal Type A Type B Weight [g] After/Before 1158/1158 491.2/1158 395.8/1187 ‐ 58 66.7 Calculated Acceleration Inertia [kg/m2] 0.0057 0.0025 0.0020 time[s] 4.72 1.52 1.52 1.52s 研削盤 電流計 4.工具-工作物間相対速度の動的制御のための超砥粒ホイールデザインについての検討 前章までに超砥粒ホイールと工作物の速度制御によって梨地面から鏡面までのシームレスな加工が,工具-工作物間相対速度の動的制御によって実現できる可能性が示されてきた.しかし現行の研削盤を使った加工プロセスにおいて工具速度,すなわちホイール回転速度を可変させるときの問題点としては,超砥粒ホイール本体が金属で作られているために慣性モーメントが大きく,スピンドル速度を動的に可変させてもホイール速度がその変化に追従できないことが想定されてきた.そこで本節においては低慣性モーメントのホイールデザインを検討したので,その効果について報告する. 4.1デザインコンセプト CBNホイールは表2の仕様のものをデザインベースとした.検討したデザインはTypeA,Bの2種類である.図11のTypeAは鉄道の動輪をイメージしたので,ベースデザイン1158gのホイールに対して491.2gと58%の重量削減を施したものになる.図12のTypeBは剛性を確保しつつ加工限界や遠心破壊の安全率を考慮しながらできる限りの軽量デザインにしたもので395.8g,重量削減率66.7%までの軽量化を図ったものである. 図11 TypeA ホイール(右)FEM解析結果(左) 表2 デザイン検討用CBNホイールの基本仕様 CBC120N50BW4 Hole dia. [mm] 図14 モータ回転起動時の電流波形 A,BのそれぞれのデザインにおけるFEM解析条件は,材質をアルミニウム2014合金とし,中心軸穴固定,2000rpm時の遠心力,法線研削抵抗50Nを設定した.最大応力は3.386×10⁶N/m²で,砥石部下の薄くなっている部分に発生している.しかし,これはホイール素材の降伏強さ9.651×107N/m2を下回っており,安全率28.5であった. 4.2砥石軸スタートアップ電流による軽量化効果の比較 ホイールの低慣性モーメント化の効果を調べるため,平面研削盤にホイールを取り付け,砥石軸駆動モータ起動時のスタートアップ電流を計測した.(図13) 計測された電流波形の一例を図14に示す.回転を起動すると起動トルクをモータが発生させるために振幅および周波数が変化し,しだいに一定の値に収束する.収束したときが定常回転と認められる.よって,起動から周波数と振幅が定常になるまでの時間を 標準デザイン,TypeA,TypeBと計測してまとめたものが表3である. 表3 スタートアップ試験結果 Reduction Type ratio [%] 表からA,Bともに慣性モーメントを削減した効果によって大幅に加速時間が短縮されており,ホイール加速時の電力削減がなされていることがわかる.その一方で,Aの丸穴形状の場合と比較してBは重量削減率が大きいにもかかわらず加速時間は両者とも同程度となってしまっている.この理由としてはホイールではなく,フランジやベアリングなどの砥石軸の慣性モーメント自体が大きく,60%以上の軽量化を図ってもその効果が表れなくなっているためである. 図13 研削盤装着状態と電流計測 − 134 −  

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