助成研究成果報告書Vol.35
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図9駆動用ステッピングモータ LatheMotorDriverRotary encoderWorkpieceAbrasive wheelMicro computerPulsePulse3.工具-工作物間相対速度制御フィードバックシステムによるテクスチャリング 2.3 選択的な梨地面形成のための実験 超砥粒ホイールが梨地面などのテクスチャリング加工に応用できるとなれば,工作機械の工具送りの機構を利用して数値制御などで正確な工具位置決めが可能となり,テクスチャリングを施す面と施さない面を選択的にかつマスキングを施すことなく形成させられるかもしれない.そこで基礎実験用に開発した工具を用いて,円筒面上に選択的に梨地面を形成するのを試行した.(図7)目論見通りに超砥粒ホイールを利用することで任意の位置にマスキングフリーでテクスチャリングが施せている. 前章で試みた固定砥粒加工工具による梨地加工のように,超砥粒ホイールを塑性加工工具的に使うとすれば 通常の研削盤から一歩進んだ機械の構成が必要となる. たとえば前章の基礎実験においては工具と工作物との摩擦力に依存しながら工具を駆動し砥粒の押し込みを実現していた.しかし,摩擦力だけの駆動力では加工速度は低速にならざるを得ず,加工効率を向上させようとするには限界が生まれるであろう. そこで次なるステップとしては,工具を能動的に駆動できるシステムが必要となる.この能動的な工具駆動においては,工具と工作物間の相対速度の把握が必要となるために,工作物の速度検出機能がセットになっていなければならない.必然的にインプロセスでの速度フィードバックによる研削工具のドライビングシステムを研削盤が実装する必要が生じる. よって本章においては工作物の連れまわりではなく強制的な工具駆動方法により工具-工作物間の速度を制御できる基礎的な工具-工作物間速度フィードバックシステムを構築しながら表面テクスチャリングを試みる. 3.1工具強制駆動による工具―工作物間フィードバック速度制御システムの構成 図8工具強制駆動方式による実験装置 実験システムを図8に示す.このフィードバックシステムにおいては工作物の回転速度を検出するためにローラーを接触させる.ローラーにはロータリーエンコーダが取り付けられており,マイコンで工作物回転数を計測し,工作物の回転数に応じて等速あるいはある一定の速度差をもたせて工具をステッピングモータで回転させて駆動する. 工具である超砥粒ホイールは図9のようにステッピングモータの軸上に設置し,工作物に接触させることとした.今回は#400の電着砥石としている.なお,実験の範囲においては工具と工作物の接触力にともなうステッピングモータの脱調はなかった. 実験条件は,工作物速度を10.4m/minに設定し,速度差±10%の範囲で工具を工作物に接触させてどのような表面構造が形成されるかをマイクロスコープで観察した. 3.2 10%の相対速度が生じた場合の工作物表面 図10(a)は工具と工作物の速度を10.4m/minで接触させたときに得られた表面である.両者間の速度差がないため表面がこれまで同様の梨地面になっているのが確認できる.一方,図10(b)は工具速度を9.3m/minと約10%の速度差をもたせて工作物を加工したときのものになる.これまでのように表面が梨地面ではなく,鱗状の表面テクスチャに変化していた. この結果から,工具,つまり砥粒切れ刃と工作物の速度差を能動的に制御することによって梨地面から新たな表面テクスチャを超砥粒ホイールで連続的に制御できることが示された. (a)速度差なし (b)速度差0.1m/min 図10工具工作物間の速度さと表面性状 − 133 −

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