助成研究成果報告書Vol.35
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キーワード:研削加工,超砥粒ホイール,テクスチャリング,梨地面 (a)ブラスティング (b)研削加工 1.研究の目的と背景 1.1 着想の背景 製品の質感や表面機能を付与向上させるためにシボ加工などの表面テクスチャリング手法は欠くことのできない加工技術である. このような表面の処理においては,機械加工による成形工程終了後に表面に化学的なエッチング,レーザによるアブレージョン,硬質粒子や遊離砥粒のブラスティングが利用される. しかし,これらの手法においては,マスキングの必要性や工作物材質の限定などそれぞれの手法に制約が生まれてしまう.工程集約による低コスト化を図るためには導電性などの工作物の材質への依存やマスキング処理の制約をうけない機械的作用による加工が望ましい. 一方,研削加工は,機械的作用による加工法の中で最終工程を担い,製品の寸法精度や表面品位に最も影響を及ぼす加工法である.その基本的な加工の様式は円盤あるいは円筒外周面上にアトランダムに配置された砥粒を,工作物の移動速度よりも10倍以上の速い速度で工作物に繰り返し接触させながら工作物の不要部分を除去し,可能な限り平滑な表面を創成してゆく.その目的は高効率の形状創成(体積除去)と無数の切れ刃の微細切込みによる表面の平滑化のみが現在の目的となっている. ところが,近年は超砥粒ホイールというダイヤモンド等の超硬質粒子を砥粒に用いた極めて砥粒の保持力や耐摩耗性が高い工具が出現している.近々の工具においては,この工具をさらに一歩前進させるような考えの下で,砥粒の配置パターンを均一にした工具が実現されるようになってきた. このように硬質粒子を強固な保持力での均質に配置した超砥粒ホイールは,工具に本来の目的である材料除去だけではなく,スタンピングやナーリングのような工具を工作物に押し付け,工作物表面を塑性変形させながら工具表面を転写することでテクスチャを形成させられる可能性がある.そのようなことが実現できればシボ加工のような微細なパターニングを任意の位置にしかも局所的に形成でき,工程の大幅な集約とフレキシビリティを実現できる可能性秘めている. 有明工業高等専門学校 創造工学科 (2018年度 一般研究開発助成 AF-2018021-B2) 教授 柳原 聖 2.超砥粒ホイールによるテクスチャリング面(梨地面)の形成手法の検討 図1 噴射加工と研削加工のメカニズム比較 1.2 本研究の目的 前記の背景のもとに,本研究においては,下記の項目を明らかにすることを目的とした. 1.研削砥石(超砥粒ホイール)を利用して塑性加工を表面に生じさせ,自在に金属やセラミックス,そしてプラスチック等のシボ加工のようなテクスチャリングが実現できるのか? 2.1で行うテクスチャリングは,マスキング等の前処理を不要にし,任意の位置で局所的に形成できるのか? 3.研削加工からテクスチャリングまでシームレスに加工を可変させ,工程の集約や付加価値の製品付与が実現できるか? 以上の3項目に関して報告する. 2.1 砥粒によるテクスチャリング面形成手法の検討 ブラスティング(噴射加工)においては図1(a)のように高圧のガスを利用して硬質の粒子に工作物に対してプ図2 加工メカニズム実証実験用工具 − 131 − 研削砥石による新規塑性加工法を用いた 表面テクスチャリングの研究

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