表6 形状記憶合金の物性値 表7 形状記憶合金ごとの最大及び最小相当応力値 表7に解析結果から得られた,形状記憶合金ごとの血管内面に生ずる相当応力の最大値と最小値を示す.また,図14に各形状記憶合金の最大相当応力と最小相当応力を比較した結果を示す.形状記憶合金により血管内面に生ずる相当応力に大きな差があることが分かる.図14より, 図14血管内面の最大及び最小相当応力値の比較 𝜎𝜎𝐴𝐴𝐴𝐴̅̅̅̅̅=𝜎𝜎𝑠𝑠𝐴𝐴𝐴𝐴+𝜎𝜎𝑓𝑓𝐴𝐴𝐴𝐴2∆𝜎𝜎𝐴𝐴𝐴𝐴=𝜎𝜎𝑓𝑓𝐴𝐴𝐴𝐴−𝜎𝜎𝑠𝑠𝐴𝐴𝐴𝐴 𝜉𝜉=∆𝜎𝜎𝐴𝐴𝐴𝐴𝜎𝜎𝐴𝐴𝐴𝐴̅̅̅̅̅̅ (3) (2) 図15 𝜉𝜉 及び最大相当応力値の比較 (4) 𝜎𝜎𝐴𝐴𝐴𝐴̅̅̅̅̅と∆𝜎𝜎𝐴𝐴𝐴𝐴を用いて𝜉𝜉 を次式で定義する. 図15に形状記憶合金ごとの𝜉𝜉と最大相当応力値を示す.𝜉𝜉が大きいほど,相当応力の最大値は小さくなる傾向があ及ぼす応力の影響を小さくするには,𝜉𝜉が大きい形状記憶合金を選定すると良いことがわかる.■しかしながら,𝜉𝜉が大きいステントグラフトを使用するの結果が得られていることを確認できた.また,応力が最大となる箇所がステント部の中腹周辺であり, 2番目に大きな応力となっている箇所はステントグラフトが拡張するときに最初に接触する部分であった.この結果から,血液がステント端部から漏れ出すエンドリークや留置箇所からのずれを引き起こす要因の一つは,一様にステント部が血管壁と圧着していないことであると考えられる. 4・3■■■■■■合金と物性値の異なる形状記憶合金の適用■Ni-Ti合金以外の形状記憶合金としてFeMnAlNi合金,CuAlBe合金,CuAlMng合金,TiNbZr合金,TiZrNbSn合金を選定し,これらの合金を使用したステントグラフトの変形解析をおこなった.表6にそれぞれの合金の物性値を示す. 数あるが,それぞれの相当応力の最大値は大きく異なっての理由で影響は小さいと考えられる. と,この2つの応力値の差が小さいほど相当応力の最大値ぞれ次式と置く. ることがわかる.すなわち,ステントグラフトが血管壁にと最大相当応力が小さくなる傾向があり,これは,術後にステントグラフトのずれを生じさせる可能性が高くなることを示している.このことから血管壁への影響の緩和と血管壁への圧着の強化はトレードオフの関係にあり,これ形解析は表5の物性値を用いて行った. 4・2■自己拡張ステントの変形解析■ステントグラフトの解析モデルは,図11に示す市販のステントグラフトの金属部分のCT画像から寸法を取得し作成した.図12(a)にステントグラフトの金属部分のみからなる3層6分の1モデルを示す.また血管モデルは血液の流れ方向(長軸方向)に80 mm,内径26 mm,外径30 mm(血管壁の厚さ2 mm)とした.図12(b)に血管の6分の1モデルを示す.なお,血管に関してはヤング率1.0MPa,ポアソン比0.35の線形弾性体と仮定して解析を行なった. 解析はシースからステントが徐々に押し出される状態を再現し行った.図13にステントが完全に押し出された時の血管内壁の相当応力分布を示す.図13より,相当応力は最大44.1 kPa,最小0.394 kPaであり,先行研究5)と同等CuAlBeの𝜀𝜀𝐿𝐿が0.42と極めて大きいものの,NiTi合金が𝜀𝜀𝐿𝐿,𝛼𝛼,及び,ヤング率,ポアソン比の影響は小さいと考えられる.また,𝛼𝛼に関しては,𝛼𝛼=0の形状記憶合金が複いる.ヤング率及びポアソン比に関しても𝜀𝜀𝐿𝐿及び 𝛼𝛼と同様𝜎𝜎𝑠𝑠𝐴𝐴𝐴𝐴,𝜎𝜎𝑓𝑓𝐴𝐴𝐴𝐴の順方向の相変態における応力値に着目するが大きくなる傾向が見られる.そこで, 𝜎𝜎𝐴𝐴𝐴𝐴̅̅̅̅̅と∆𝜎𝜎𝐴𝐴𝐴𝐴をそれ0.063と小さく,相当応力が最大となる.このことから,Alloys FeMnAlNi CuAlBe CuAlMn TiNbZr TiZrNbSn NiTi Max [kPa] Min [kPa] 32.8 38.7 24.9 27.1 31.9 44.1 0.284 0.315 0.190 0.125 0.404 0.394 − 119 −
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