助成研究成果報告書Vol.35
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キーワード:木質材料,トライボ化学,ロールプレス ■3.高速摩擦処理木材の特性評価と結果・考察 ■■■1.研究の目的と背景 木木材材「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」ff平成  年法律第■■号■が制定される等■木材・木質材料を積極的に社会に活用していこうとする基盤作りが進んでいる.一方■木材・木質材料の適用範囲の拡大に伴い■安全性や耐久性等について,市場が要求する性能も高度化し■新たな木質材料の開発■またそれらの加工・製造法の開発が必要となっている.■現在,硬質な木質材料の製造法として,木材のプレス加工が用いられている.得られる木質材料は■内部まで圧縮・塑性変形された圧密化木材となり■元の木材が持つ物性は失われている.■木材内部の物性は保持し■木材表層のみを圧縮・塑性変形させる手法として■高速回転するローラー(工具)を木材に接触・圧下させ■すべりにより摩擦する方法(高速摩擦処理)が提案されている■■■).本手法により■木材表層部分のみを圧下・摩擦することによって,軟化・圧密させ,工具の微細な表面形状の付与■ ■■極めて平滑な表面を形成する形状転写に成功している■■.■一般に■摩擦が伴う加工において■摩擦する物体とされる物体が接触する箇所のみに■高温・高圧・せん断力等が加わることにより■通常では大掛かりな反応器を必要とするような特異的な化学反応(トライボ化学反応)が進行することが知られている■■).この現象により■高速摩擦処理を実施した木材表面は■形状等の物理的な特性の変化とあわせて■化学的な特性の変化ももたらされると推定される(図1).また■■トライボ化学反応を利用することにより■従来よりも高機能な木材を環境負荷が少ない方法で製造できる可能性がある■■■.■木木材材図1■木材の高速摩擦処理概要■東京都立産業技術研究センター■開発本部マテリアル応用技術部■( ■■■年度■一般研究開発助成■■■■ ■■■■■■■■ ) 主任研究員■樋口■智寛■2.試験片作製  ・■■供試材■本研究では■高速摩擦処理時に木材表面において発現するトライボ化学反応を利用し■表層のみに新機能を持たせた木質材料の開発■加工・製造のための新しいロールプレス加工法の開発を目指して■基礎的知見を得ることを目的とした.■将来的には■例えばセラミックスに類似した性質を木材表層のみに形成させる等■木材とは全く異なる特性を表層のみへ付与した新機能木質材料の生産技術への展開を目指している.■気乾状態のスプルースを,■■■■■ff■■×■■■■■ff■■×■■■■ff■■に切り出し,試験片とした.高速摩擦処理は,■■■■■×■■■■の板目面を対象に実施した.■ ・ ■高速摩擦処理方法■移動ステージ上に固定した木材試験片を,一定速度で高速回転する工具に送り,試験片表面を摩擦処理した.摩擦する工具には,表面粗さ■■■■■■μ■■直径■ ㎜の■■■■■製丸棒を用いた.摩擦処理の条件は,試験片送り速度■■ ■■■■■,工具の回転数■■■■■■■■■,試験片表面へ工具を押し付ける圧下量を■■■~■■■■■■とし■所定の回数に到達するまで繰り返し摩擦した.■摩擦処理時には,木材とのトライボ化学反応による表層形成や摩擦時の潤滑剤としての効果も期待し■木材用オイルフィニッシュとして広く用いられている亜麻仁油を木材表面へあらかじめ塗布した.■■・■■高速摩擦処理木材表面の組織変化■図2に共焦点レーザー顕微鏡により観察された高速摩擦処理による木材表面の組織状態の変化を示した.あわせて試験片の外観写真を示した.■共焦点レーザー顕微鏡観察により■繰り返し摩擦の初期(摩擦処理■回数程度)は,急速に木材表層の平滑化が進展し■その後■微小な組織に影響を与えることが確認された.このことから■高速摩擦処理の繰り返し回数により■形成される木材表層の組織や平滑性等の制御が可能といえる.■高速回転ローラープレス摩擦送りすべりによる摩擦発生トライボ化学反応により生成した表層− 111 −トライボ化学反応を誘発するロールプレス加工法の開発■セラミックス風な表層を持つ木質複合材料を目指して■

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