助成研究成果報告書Vol.34
98/332

3. 実験結果 図4(a)に6061-T6/DP780鋼接合板の断面BE(Backscattered Electron)像を示す.上側が固定板(DP780鋼板)で下側が可動板(6061-T6板)である.電磁圧接では,可動板が固定板に衝突後,図中に示したコイルの中心線から接合端図3(a) 6061-T6/DP780鋼接合板の破断荷重と間隙長の関係と(b) 6061-T6板における衝突速度と間隙長の関係 図3(b)に6061-T6板における衝突速度と間隙長の関係を示す.Wは接合条件と同じ3.0kJである.図中には母材破断した接合板作製における衝突速度の範囲を破線で示す.間隙長d=1.17mm~1.42mmの適切な接合条件での衝突速度は430m/s~459m/sの範囲である.d=1.59mmで衝突速度は479m/s,d=3.11mmで531m/sへと速くなるが,接合板は接合部剥離および未接合である.つまり接合板の接合強 図2 (a)接合板の外観写真と(b)断面写真 図3(a)に6061-T6/DP780鋼接合板の破断荷重と間隙長の関係を示す.Wは3.0kJ一定とした.接合部剥離した試料については白抜きで,母材破断した試料は黒塗りでその最大荷重を示す.また,図には6061-T6板の破断荷重を実線で示す.接合は間隙長dが1.00 mmから1.59 mmまで可能であり,dが1.59 mmを超えると未接合で不可能であった.d=1.00 mm~1.59 mmで作製した試験片について引張せん断試験を行った.d=1.00mmでは0.8kNで接合部剥離したが,d=1.17mm~1.42mmでは6061-T6板で母材破断した.さらにdを1.59mmに広げた接合条件の場合は0.4kNで接合部剥離を生じた.以上の結果から,d=1.17mm~1.42mmが適切な接合条件であり,6061-T6/DP780鋼接合板について母材破断となる強固な接合板の採取が可能だとわかった. 度および接合可否を衝突速度のみで判断できない.これまでに引張強度が高い2024-T3板と7075-T6板の接合および6061-T6板とDP590鋼板の接合において,母材破断する強固な接合板を得るには,速い衝突速度が望ましいことが知られている.衝突速度の増加は衝突圧力の増加を意味する.しかし,Fig.4(a)と(b)からは,6061-T6/DP780鋼接合板の場合,衝突速度が増加しても接合部剥離や未接合となることから,接合条件において他の要因を検討する必要がある.そこで,この原因を調べるために,接合部の組織観察を行った. 部側に向かって衝突点が移動し,ある位置から接合が始まる.従って,中心線に対してほぼ対称に,図中に白線で示した部分の左右の2箇所で接合される.以後,この左右2か所を接合部と呼び,これらの幅の合計を接合幅とする.作製した接合板の接合部のBE像を図4(b)d=1.05mm,(c) d=1.17mmおよび(d) d=1.59 mmにそれぞれ示す.図の左側がコイルの中心線側であり,右側が接合端部側である.爆発圧着と同様に衝突点の移動速度,固定板と可動板との衝突角度が波状界面接合の条件を満たすようになる部分で接合が行われる.図4(b)~(d)の接合界面には波状模様が観察される.電磁圧接では,固定板と可動板の角度が連続的に増加するために,中心線側から接合端部に向けて波長が長くなる傾向を示す.図4(b)の場合,矢印で示すようにコイル側近傍では約10μm程度,接合端部近傍では約50μm程度である.また,いずれの接合界面からも波頭部分の内側に部分的に中間層の形成が認められる.接合板の接合幅は図4(b),(c)および(d)で1.05mm,1.34mm,および0.91mmであり,(c)が最も広く,引張せん断試験の結果において− 96 −

元のページ  ../index.html#98

このブックを見る