助成研究成果報告書Vol.34
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3.実験結果 3・1 荷重・変位曲線と貫通割れ形成の関係 2・4 板厚分布測定 エリクセン試験中に生じる貫通割れの形成過程をさらに詳細に明らかにするために、荷重・変位曲線と板厚分布の関係についても調べた。荷重・変位曲線の任意の位置においてエリクセン試験を中断した試料を作製した。エリクセン試験中断材を切断し、試験片中央を通る断面が観察面となるように機械研磨により仕上げた。試験片断面を実体顕微鏡により写真撮影し、得られた断面写真を元に板厚分布を測定した。 荷重・変位曲線と貫通割れ形成の関係を明らかにするために、エリクセン試験中断材の作製を行った。図3に荷重・変位曲線と対応するエリクセン試験中断材(d0=8 mm、t0=1 mm)の外観写真を示す。試験開始後、荷重は緩やかに増加していくが、最大荷重を示した後、急激に荷重が低下している。これがエリクセン試験により得られる典型的な荷重・変位曲線の形状である。 図3 荷重・変位曲線とエリクセン試験中断材の外観写真(d0=8 mm、t0=1 mm). 対応する試験片の表面観察を行ったところ、最大荷重点(a点)およびその直後の点(b点)においては、試験片表面には貫通割れは確認できないが、荷重が急激に低下する点(c点)において明瞭なくびれ変形が観察され、貫通割れが形成されている様子が観察される。さらに試験が進行すると(d点、e点)、さらに荷重の低下が生じるとともに、貫通割れの連結が生じ、より大きな貫通割れへと成長している様子が見て取れる。他のパンチ直径の実験においても同様の観察を行ったところ、いずれも図3に見られた結果と良く似た結果が得られた。 以上の観察より、荷重・変位曲線における荷重の急激な低下が貫通割れの発生により生じていることが実験的に確認できた。そこで本実験では、荷重・変位曲線において、荷重の減少速度が最大となる点を貫通割れの発生点と定義してデータ解析を進めた。 3・2 荷重・変位曲線と板厚分布の関係 荷重・変位曲線と板状試験片の変形過程との関係をさらに詳細に明らかにするために、荷重・変位曲線と板厚分布の関係を調べた。エリクセン試験中断材の試験片断面を観察し、板厚分布の変化を調べた。図4にd0=20 mm、t0=1 mmの結果とd0=8 mm、t0=1 mmの結果をそれぞれ示す。板厚分布のグラフはいずれも、変形前の板状試験片の中心からの位置を横軸としてプロットしている。d0=20 mm、t0=1 mm(図4a)およびd0=8 mm、t0=1 mm(図4b)の板厚分布は、いずれも定性的に非常に良く似ている。試験の進行により変位が増加するとともに、板厚の減少が生じている。荷重が徐々に増加しているa点、b点においては板厚の減少は比較的均一に生じているのに対して、最大荷重点であるc点では、板厚の減少が局所的に生じていることがわかる。すなわち、最大荷重点においては、くびれ変形の発生が既図4 荷重・変位曲線とエリクセン試験中断材の板厚分布. (a) d0=20 mm、t0=1 mm、(b) d0=8 mm、t0=1 mm. − 82 −

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