助成研究成果報告書Vol.34
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d0d1d2d3w0t0vp E85882・3 貫通割れの観察 一般に、エリクセン試験における貫通割れの発生は、試験中の試験片表面を目視することにより確認される1)。本実験において、パンチ直径20 mmおよび15 mmの実験では、貫通割れのサイズが比較的大きいため、目視による検出は容易である。一方で、パンチ直径 8 mmおよび5 mmの実験においては、貫通割れのサイズが小さく、目視での検出は容易ではない。そこで、本研究においては、エリクセン試験により得られる荷重・変位曲線の形状から貫通割れの発生を推定することを試みた。そのため、貫通割れの形成と荷重・変位曲線の関係について調べた。荷重・変位曲線の任意の位置においてエリクセン試験を中断した試料を作製し、実体顕微鏡により貫通割れの形成過程を調べた。 図2 エリクセン試験に用いた試験治具と試験片 の模式図. 入されている。さらに、天板とダイス押さえ(die holder)は4本のボルトで連結されている。4本のボルトを締め付けることによって天板が降下してコイルばねが圧縮され、コイルばねに反発力が発生する。これにより、ダイスとしわ押さえの間に挿入した板状試験片を大きな締め付け力で固定することができる。 2・2・2 試験条件 エリクセン試験により評価される張出し加工性に及ぼすパンチ直径(d0)の影響を明らかにするために、パンチの直径を種々変化させ、さらにそれに伴い、ダイス、しわ押さえの寸法も種々変化させた。図2に治具および試験片の模式図を示し、表1にそれらの寸法をまとめている。JISでは、板幅90 mmの標準試験において、パンチ直径 20 mm、ダイスの内径 27 mm、しわ押さえの内径 33 mmの試験治具を使用することが規定されている。本実験では標準試験に加えて、直径15 mm、8 mm、5 mmのパンチを用いた微小試験治具による実験も行った。このとき、標準試験用治具の寸法と相似形になるように、パンチ、ダイス、しわ押さえの寸法を設計した。 板状試験片の板幅は、パンチ直径に応じて変化させた。試験片板厚は、1 mmから0.5 mmに種々変化させて実験を行った。パンチと接触する試験片表面にグラファイトグリースを塗布した後、板状試験片をダイスとしわ押さえの間に挿入し、約10 kNの締め付け力で固定した。板状試験片に対して、上部から球形パンチを押し込み、エリクセン試験を実施した。試験中、装置下部に設置されたCCDカメラにより板状試験片の外側表面を観察し、板厚を貫通する割れが明確に確認できた時点で試験を終了した。試験中、荷重と変位のデータを記録し、後の解析に用いた。 表1 エリクセン試験に用いた板状試験片および試験治具の寸法表. SymbolUnitmmmmmmmmmmmmmm/minmmDesignationDiameter of the spherical end of the punchInside diameter of the dieInside diameter of the blank holderOutside diameter of the die and blank holderWidth of the test pieceThickness of the test piecePunch speedErichsen cupping indexTool and test piece dimensions, punch speed and the definition of20273355900.5-13.0The displacement of the punch until when a crack appears throughErichsen cupping index1521111810555560300.5-10.5-13.01.0the full thickness of the test piece.55300.5-11.0− 81 −

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