助成研究成果報告書Vol.34
78/332

図1.TCP加工法における金型の概略図(上段)と金型と試験片の外観写真(左は加工後,右は加工前) 3. 結果および考察 3.1 微細組織の比較 純ニオブおよびステンレス鋼のAS材とTCP加工を1~3パスした後に焼鈍したものを光学顕微鏡で観察した組織を図図22にしめす.後述するように成形性を評価するにあたり,結晶粒径の影響を排除するために,TCP加工のパス数により結晶粒径に大きな変化がないことが確認できた.再結晶が促進され,結晶粒が等軸化したことが確認できる. 形成されたシアーバンドであると考えられる.組織観察から明らかにステンレス鋼よりもニオブの方がより高密度かつ広範囲にシアーバンドが導入されていることが確認できる.これは,ニオブがステンレス鋼に比べて加工硬化性が低いためであること,すべり面が少ないことに起因すると考えられる.シアーバンドも変形が局部に集中する塑性不安定現象であるため,加工硬化性が低いニオブに多く TCP加工による1パス加工後の光学顕微鏡組織を図図33に示す. 図中の矢印で示すように結晶粒内にシアーバンドが確認できる.これらはMicro-shear band またはGrain-scale shear bandと呼ばれるもので[9],炭素鋼などBCC系の材料で確認されている.図中のAおよびCはECAP法と同様にチャンネル角によって生じるせん断変形によって形成されたシアーバンドであり,BおよびDは金型中央部での管材の直径の減少および,増加によって図2.TCP加工および熱処理後の組織(上段:409L鋼,下段:純ニオブ)(a)As, (b)1, (c)2, (d)3パス材 図3.TCP1パス後の断面組織(a)409L鋼,(b)ニオブ シアーバンドが導入されたと考えられる. 次に,TCP 1~3パス後にEBSDにより測定した結晶方位マップを図図44に示す.まず <100>//ND粒に<110>および<111>//NDのシアーバンドが導入されていることが確認できる.これによって<100>粒の再結晶が促進できたことが示唆される.また,図図44((cc))においては<100>//ND粒だ− 76 −

元のページ  ../index.html#78

このブックを見る