助成研究成果報告書Vol.34
75/332

図 7 単軸および二軸引張におけるひずみ経路.実験値とIsoモデルを用いた結晶塑性解析結果の比較. 5.結言 本研究では,A5052-Oを供試材として,単軸引張,二軸引張,単純せん断による反転負荷,単軸引張と単純せん断y[ yx]aPMx [MPa]y 00図 6 二軸引張試験およびIso, LatBSモデルを用いた結晶塑性解析におけるp00.002, 0.01, 0.02, 0.03, 0.04, 0.05での流動応力. 0.10Fx : Fy = 4 : 3Fx : Fy = 3 : 4参考文献 結晶塑性解析ではその挙動は予測されなかった.なお,Lat,IsoBSモデルによる結晶塑性解析の結果はIso,LatBSモデルの結果とほぼ一致した. 次に,二軸引張試験において測定したひずみ経路を図7に示す.なお,Isoモデルを用いた結晶塑性解析の結果も同図に示す.荷重比:xFF3:4, 4:3において,実験値と予測値に差が確認できる.しかしながら,それ以外の荷重比については,実験値と予測値はよく一致している.したがって,全体的には実験の傾向を予測できていると言える.なお,Lat,IsoBS,LatBSモデルによる結果は,Isoモデルによる結果とほとんど一致することを確認している. 以上の結果より,二軸引張の流動応力およびひずみ経路の予測に潜在硬化および背応力が与える影響はほぼないことが分かった. を組み合わせた交差負荷を負荷し,塑性変形特性を測定した.また,結晶塑性解析において,転位の発達の影響を背応力と潜在硬化によって表し,それらが塑性変形特性に与える影響を検討した.得られた結論は以下の通りである. 1) 反転負荷試験において,反転するひずみが0.22の時に応力低下量が最大となった.その後,反転ひずみが増加すると応力低下量は減少した.交差負荷では,再降伏応力が単調負荷の流動応力より上昇し,加工硬化率は低下するような交差効果挙動を呈した.その後,塑性変形に伴って,流動動力は単調負荷のそれに漸近した. は単調負荷より高くなり,有意な交差効果が予測される. 軽金属,65 (2015), 196–203. 2001501005050 Exp. Iso LatBS0.080.060.040.020.00-0.02-0.04-0.04-0.020.000.020.040.060.080.10100150 Exp. Iso2002) 結晶塑性解析において,潜在硬化と背応力は単軸引張と二軸引張の流動応力,R値,ひずみ経路の異方性にほとんど影響を与えないことが分かった. 3) 潜在硬化係数を1.4とした結晶塑性解析では,交差負荷において,再降伏応力およびその後の流動応力4) 背応力を考慮することで,反転負荷の再降伏応力の低下が予測できる.ただし,同時に,交差負荷の再降伏応力も低下することが明らかとなった. 1) 桑原利彦, 吉田健吾: 軽金属, 65 (2015), 164-173. 2) 濱崎洋: 軽金属, 65 (2015), 536-541. 3) T. Kuwabara: Int. J. Plast., 23(2007), 385-419. 4) S. Bouvier, H. Haddadi, P. Levée and C. Teodosiu: J. Mater. Process. Technol., 172 (2006), 96–103. 5) R. K. Boger, R. H. Wagoner, F. Barlat, M. G. Lee and K. Chung: Int. J. Plast., 21 (2005), 2319–2343. F. Barlat, H. Aretz, J. W. Yoon, M. E. Karabin, J. C. Brem and R. E. Dick: Int. J. Plast., 21 (2005), 1009–1039. F. Yoshida, H. Hamasaki and T. Uemori: Int. J. Plast., 45 (2013), 119–139. 6) 7) 8) C. Teodosiu and Z. Hu: Simulation of materials processing: theory, methods and applications, ed. by S. F. Shen and P. R. Dawson, Balkema, 173–182. F. Yoshida and T. Uemori: Int. J. Plast., 18 (2002), 661-686. 9) 10) F. Barlat, J. Ha, J. J. Grácio, M. G. Lee, E. F. Rauch and G. Vincze: Int. J. Plast., 46 (2013), 130–142. 11) 橋本圭右,山中晃徳,川口順平,櫻井健夫,桑原利彦:12) K. Yoshida, A. Ishii and Y. Tadano: Int. J. Plast., 53 (2014), 17–39. 13) B. Peeters, S. R. Kalidindi, C. Teodosiu, P. Van Houtte and E. Aernoudt: J. Mech. Phys. Solids, 50 (2002), 783–807. 14) W. Wen, M. Borodachenkova, C. N. Tomé, G. Vincze, E. F. Rauch, F. Barlat and J. J. Grácio, Acta Mater., 111 (2016), 305–314. − 73 −

元のページ  ../index.html#75

このブックを見る