助成研究成果報告書Vol.34
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dµ tneeciffeoc noitcirF]aPM[ sessertSdμ tneiciffeoc noitcirF[ oitar noisnapxe ecafruS着が発生し,ダイスから取り外すことが困難であった.600°Cでは,0.10µmのうち一つで試験片全体に凝着が生じ,ダイスからの取り外しが困難であった.また,図13より,温度が高くなるにつれて,μdが増加し,かつそのばらつきが大きくなっていることがわかる.3.2.3考察先行実験9)において,試験片温度が600 °C以上の条件では凝着が激しいことから,酸化膜のトライボロジー特性の温度依存性が示唆された.その要因として,600 °C近辺でチタン酸化膜の結晶構造がアナターゼ型からルチル型への変化することが考えられたが,図11および12より,試験片温度の上昇に伴い,酸化膜の破壊が徐々に進行し,µdが増加する傾向を示すことから,酸化膜の結晶構造変化だけでは説明できず,温度の上昇とともにトライボロジー特性が劣化するものと推察される.図12より,凝着はテーパー部で生じているため,有限要素解析によりテーパー部の摩擦界面の応力状態と表面積拡大率を調査した.各温度におけるµdは,膜厚が0.08μmにおける値を用いた.ただし,600°Cでは0.08μmにおけるµdを得られなかったため,0.10µmにおける値を用いた.図14は,解析により得られたテーパー部に作用する応力状態を示す.温度の増加に伴い接触面圧は低下する.これは,図7の解析に用いた変形抵抗が温度の増加に伴い低下するためである.一方,摩擦応力および最大せん断応力に大きな変化は見られない.温度上昇に伴う応力の変化は,接触面圧の低下のみであることから,凝着は試験片に生じ図12 温間RC型摩擦試験後の試験片形状図13 温間RC型摩擦試験で同定された摩擦係数る応力の変化によるものではないと考えられる.図15は,テーパー部の表面積拡大率の分布を示す.温度が高くなるにつれ,酸化膜の破壊が生じるテーパー部入口での表面積拡大率は小さくなり,150 °C以上では広い範囲で負の値を取る.これは,その部分の母材表面が収縮していることを示す.この母材の局所的な塑性変形に酸化膜が追随することができず,はく離や破壊につながり10),その結果,凝着が生じやすくなると考えられる.図16は,酸化膜の摩擦特性に温度依存性がないと仮定してµd=0.15とし,試験片温度を変えた場合の表面拡大率の解析結果を示す.これは,Sp= 3.7 mmで最も表面拡大率が小さい位置を特定した後,その位置の表面積拡大率とSpとの関係を示したものである.Sp= 3.7 mmにおい図14テーパー部における応力と摩擦係数図15 下死点における表面積拡大率の分布20°C0.08µm0.10µm0.40.30.20.1100150°C300°C0.08µm0.10µm500300400200Temperature [℃]Contact pressureFriction stress300020001000600°CSurface expansion ratio [%]600100200300400Temperature [℃]20℃300℃0.50-0.5-1-1.5-2-2.5-320℃150℃300℃600℃3.43.2Max. shear stressFriction coefficient µd0.40.200000]%34500600150℃600℃3.8Punch stroke Sp[mm]図16 表面積拡大率の変化(μd= 0.15)3.6− 67 −

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