助成研究成果報告書Vol.34
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このような、凍結組成ゆらぎに起因したω変態挙動は、無拡散のω変態である変形誘起ω変態においても共通していると考えられる。そのため、変形誘起ω変態による弾性率増加の抑制には、室温時効に伴う無拡散等温ω変態と同様にV濃度を増加させること、すなわちbcc構造の安定化が有効であると考えられる。 3.まとめ 本研究では、室温での時効に伴うω変態および弾性率増加が、無拡散等温ω変態という新たなω変態に起因し ていることを明らかにした。また、無拡散等温ω変態は凍結された合金組成ゆらぎによって引き起こされており、このようなω変態挙動は、無拡散のω変態である変形誘起ω変態においても共通していると考えられる。そのため、変形誘起ω変態による弾性率増加の抑制には、室温時効に伴う無拡散等温ω変態と同様にV濃度を増加させること、すなわちbcc構造の安定化が有効であると考えられる。 謝 辞 参考文献 本研究は、公益財団法人天田財団2018年度一般研究開発助成により遂行されたものであり、 ここに深く感謝の意を表します。 1) M. Tane, K. Hagihara, M. Ueda, T. Nakano, Y. Okuda, Acta Mater. 102 (2016) 373-384. 2) S.K. Sikka, Y.K. Vohra, R. Chidambaram, Prog. Mater. Sci. 27 (1982) 245-310 3) M. Tane, H. Nishiyama, A. Umeda, N.L. Okamoto, K. Inoue, M. Luckabauer, Y. Nagai, T. Sekino, T. Nakano, T. Ichitsubo, Phys. Rev. Materials 3 (2019) 043604. 4) N.E. Paton, J.C. Williams, Scripta Metall. 7 (1973) 647-649. 5) M. Tane, Y. Okuda, Y. Todaka, H. Ogi, A. Nagakubo, Acta Mater. 61 (2013) 7543-7554. 6) M. Tane, T. Ichitsubo, Appl. Phys. Lett. 85 (2004) 197-199. 7) L. Landau and E. Lifshitz, Statistical Physics: Vol. 5: Course of Theoretical Physics (Pergamon Press, 1968). − 63 −

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