助成研究成果報告書Vol.34
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( ,tfihs ycneuqerf-ecnanoseR)222(/)2000(( ,ytisnei yar-i Internal friction, XnegnahC-12Aging time, t (s)図5 Ti-21VおよびTi-27V合金における、室温 (~300 K) での時効に伴うbcc相の(222)に対するω相の(0002)のX線回折ピークの積分強度比の変化。Reprinted with permission from Ref. 3. Copyright (2019) by the American Physical Society. T(21V)図4に1273 Kの溶体化処理後(急冷後)のTi-21V単結晶における(a) ω相の(0002)ω付近および(b)bcc(β)相の(222)β付近のX線回折 (XRD) パターンを示す。ここで、XRD測定は、単結晶試料の(222)βに平行な面に対して実施された。図4(a)における66.5°のブロードなピークは(0002)ωに対応しており、図4(b)に示す(222)βと比較して、強度が極めて小さいことがわかる。ここで、Ti-21V合金の非等温ω変態温度は約232 K 4)であることから、このような ブロードな(0002)ωピークの出現は、232 Kのω変態温度以上においてもω相が形成されることを示している。 図6 Ti-21V合金単結晶における共振周波数Δfrと内部摩擦Q-1の室温以下での冷却および加熱過程での変化。300 Kにおける共振周波数の値は513.592 kHzである。Reprinted with permission from Ref. 3. Copyright (2019) by the American Physical Society. 図5に室温 (~300 K) での時効に伴うTi-21VおよびTi-27V合金におけるbcc相の(222)βに対するω相の(0002)面のX線回折ピークの積分強度比の変化を示す。Ti-21VおよびTi-27V合金のω相のbcc相に対する積分強度比はAging time (day)281064)%Itn 96300046r)%f0Q8x10514121086420Ti-21V100200Temperature, T (K) Cooling Heating 2.0x10-21.51.00.50.0300ん断弾性率c’の増加はほとんど生じないことがわかる。これらの結果から、室温近傍での時効に伴う弾性率増加はbcc構造の安定性および時効温度に依存し、時効温度が高く、bcc構造の安定性が低い程、弾性率増加が大きいことがわかる。 Ti-20V合金に対して、圧縮試験による塑性変形前後の弾性率変化を測定した結果、圧縮変形によってせん断弾性率c’が明らかに増加することが明らかとなった。 Ti-27V合金単結晶においては、室温以下の低温においても非等温ω変態が生じないにも関わらず、Ti-21V合金単結晶と同様に(0002)ωに対応したブロードなピークが観測された。一方、Ti-20V合金においては、溶体化処理による急冷時の非等温ω変態によってω相が形成されていることが明らかとなった。 18~300 K15Ti-21V12Ti-27V時効に伴って増加することがわかる。ここで、純Tiのω相の単結晶弾性率5)を用いて、マイクロメカニックスの手法であるEffective-mean-field理論6)によりbcc相中にω相が形成された際の弾性率変化を解析した。その結果、ω相の形成によってせん断弾性率c’が増加することが明らかになった。これらのXRD測定およびEffective-mean-field理論による解析の結果から、図3に示すTi-21V合金およびTi-27V合金におけるせん断弾性率c’の増加は時効に伴うω相の形成によって引き起こされていることが明らかとなった。また、せん断弾性率の増加率Δc’ は時効温度の増加に伴って増加することから、ω相の形成挙動が熱活性化過程を伴っていることがわかる。 ここで、構成元素の拡散の活性化エネルギーから276~323 Kでは溶質原子の拡散が生じないと考えられる3)。また、Ti-21V合金の非等温ω変態温度は約232 Kであり4)、276~323 Kでは無拡散の非等温ω変態は生じないことがわかる。しかし、X線回折測定、弾性率測定およびEffective-mean-field理論による結果から、276~323 Kの時効下において無拡散で等温的にω変態が生じていることが明らかとなった。また、Ti-27V合金においては、低温下においても非等温ω変態が生じないにも関わらず4)、298および323 Kでの時効下において、無拡散で等温的にω変態が生じていることが明らかとなった。 − 61 −

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