(a)(b)T.A. 備考 破断 破断 破断 破断 図4 試験片Cu-2の破断面SEM写真(Σ9粒界面)。図3のA部粒界面を観察した。図中のF表面は図3の観察面側,B表面は裏− 56 −3,3,9粒界を有する三重結晶を育成した。単結晶および三重結晶の育成にはブリッジマン法を用いた。図1(b)に示すように,三重結晶の成長方向に垂直に厚さ3.5 mmのスライスを切り出した。各スライスから,図1(c)に示すような,引張方位に対してΣ9粒界が角度45°をなす肩付き引張試験片を切り出した。 2・2 クリープ試験 純Cu試験片については温度810℃(0.80TM),引張応力4MPa,純Al試験片およびAl-0.1wt.%Cu合金試験片については温度527℃(0.86TM),引張応力0.4MPaの条件で一部の試験片については破断までクリープ試験を行った後,観察に供した。各試験片の試験時間を表1に示す。 2・3 断面観察 破断が起こる前にクリープ試験を終了した試験片の一部について,試験片内部での粒界の損傷状況を調べるため,試験片を切断し,断面をイオンミリングにより研磨した後,走査電子顕微鏡(SEM)により観察した。 3.実験結果 3・1 試験片の破断 純Cu三重結晶については,2本の試験片を破断までクリープ試験を行った。それらの試験片をCu-1,Cu-2と名付けた。また,他の1本の試験片についてはクリープ試験を中断して取り出したところ,Σ9粒界に沿って試験片を貫通する亀裂が生じていたので,そのまま観察した。この試験片をCu-3と名付けた。以下,各試験片の破断の様相についてまとめる。 試験片Cu-1の破断後のSEM写真を図2に示す2)。Σ9粒界に沿って割れた後,残りの部分で延性的に破壊した様相が読み取れる。最終的にはΣ3-2粒界ではなく,結晶粒内で大きく伸びて引きちぎられている。 ところが,試験片Cu-2の破断の様相は試験片Cu-1とは異なっていた。図3にSEM写真を示す。試験片Cu-2全体の伸びは試験片Cu-1と比べて小さく,粒界に沿った割れにより破断していることが明瞭に分かる。また,割れはΣ9粒界だけでなく,Σ3-2粒界にも沿っている。 試験片Cu-2のΣ9粒界面およびΣ3-2粒界面を観察した。図3のA部において観察したΣ9粒界およびΣ3-2粒界破面のSEM写真を図4および図5に示す。 図2 破断後の試験片Cu-1(SEM写真) (T.J.:粒界三重線) 図3 破断後の試験片Cu-2(SEM写真) 面側であることを示す。 三重結晶<110> 種結晶(3本)図1 (a)ブリッジマン法による三重結晶育成。(b)三重結晶からスライス作製。(c)スライスから肩付き引張試験片作製。 (T.A.:引張軸) 表1 各試験片の試験時間 試験片名称 クリープ試験時間 Cu-1 Cu-2 Cu-3 Cu-4 Al Al-0.1wt.%Cu Σ9粒界Σ3粒界Σ3粒界Σ3引張試験片Σ9Σ3三重結晶スライス469 ks 128 ks 509 ks 130 ks 616 ks 1387 ks (c)
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