助成研究成果報告書Vol.34
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図9 試験前後の引張試験片 図10 破面観察結果の一例 図8 Al/PET DFJ継手の室温引張試験における応力ひずみ線図 円盤回転速度の増加に応じて最高到達温度が509、639そして658Kと上昇したことがわかる。1000RPMの場合は樹脂の融点以下であるが、ガラス転移点よりも高温である。これらの温度は、アルミ側で円盤接触部より2mm離れた位置での測定結果であることを考えると、円盤接触部の温度はさらに高温であることが推定できる。すなわち、樹脂の軟化温度域に達したアルミニウムが円盤からすり抜けた途端に樹脂と接触し、急速に樹脂を加熱することになる。このことにより樹脂が軟化したことになる。樹脂側も円盤との摩擦発熱により加熱されており、この余熱効果もアルミとの接触時の樹脂軟化を促進している。 後述するが、アルミニウム側にできた凹凸部へ軟化した樹脂が押し付けられ、微細かつ複雑形状になじむように充填されて接合が完了し、いわゆるアンカー効果が発現すると考えている。 4.1.4 室温引張試験 図図88に引張試験における応力ひずみ線図の一例を示した。円盤回転数は3000RPMである。図よりほぼ直線的に応力値が増加し、24MPaにて破断したことがわかる。この破断強度はPET樹脂の強度(51.4MPa)に対して、46.7%である。 引張前後の試験片の状態を図図99に示した。図中左側が引張前である。引張後を見るとアルミ側に一部樹脂部が残っていることが見て取れるが、これはこの部分については樹脂内破断すなわち接合界面強度が樹脂強度を上回っていることを意味する。 図図1100は破面観察結果の一例である。図中の矢印は接合方向である。これはアルミ側の破面であるが、図のAおよびB領域はそれぞれ界面破断部および樹脂内破断部を示している。界面破断部の拡大図を下に示しているが、溝状の凹凸部に残存する樹脂が一部確認できる。このように、この異材継手界面はフック状の突起を特徴とする形状の界面を有しており、そのフック部がアンカー効果を発揮し て接合強度発現に寄与したと考えている。 本実験では、他の領域は界面破断型であったが、この樹脂内破断領域での接合過程と外部因子のより詳細な解析を進めることで長尺物の接合において母材破断する強度をもたらす界面構造を作り出す最適接合条件が策定できる。 4.2 特殊加工円盤による接合 前節にて、DFJ継手界面の特徴として、凹凸形状を発見したことを述べ、その凹凸構造がもたらすアンカー効果発現が継手強度に寄与する因子であることを指摘した。 本節では、この界面凹凸を意図的に複雑にすることを目的として、円盤に特殊加工を施してその効果を引張試験により検証した結果を説明する。 − 52 −

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