助成研究成果報告書Vol.34
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図2 装置外観 図3 装置内部構造 3.実験方法 3.1 供試材 接合実験に用いた材料は、展伸材用アルミニウムのA1070P-H14(以下A1070)と、熱可塑性樹脂のポリエチレン量を得ることに直結する。界面形状付与については、接合界面の凹凸形状のことであり、いわゆる「機械的接合効果:アンカー効果」を現出することを意味する。 本稿では、工業用純アルミニウムと熱可塑性樹脂の一種であるポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂との接合研究成果を報告する。 テレフタラート(以下PET)である。A1070は冷間圧延材、PETは押し出し材である。接合用試験片の寸法は、厚さ2mm、幅10mm、長さ50mmの短冊状である。 3.2 接合装置 開発した接合装置の機構と機能について説明する。図図22ならびに図図33に、装置外観ならびに内部構造の写真を示した。接合試験片は摩擦係数を下げるための特殊コーティングを施した試料ホルダにセットされ、それぞれのホルダが独立にステッピングモータ駆動により一方向に移動する構造になっている。 各試験片の端部はロードセルに接触しており、接合中の荷重が測定記録されるようになっている。本装置は位置制 御型であり、接合時間とホルダの押し付け移動量は事前にプログラ置に素線径0.1mm のK型熱電対をスポット溶接し、接合中の温度履歴も測定できる。接合中の試験片のライブ映像はマイクロカメラにより撮影され、映像データはパソコンに記録される仕組みとなっている。雰囲気制御が必要な材料の場合は、外部に設置したボンベより還元性ガスをシールドガスとして供給する機構となっている。このように、温度、応力、変位を動的に測定できる接合装置である。 回転する円盤の材質、形状ならびに表面性状(粗度すなわち物理的な意味としては動摩擦係数)は接合材に応じて設計されている。本報告で説明するデータについては、表面粗さが0.2μm程度のものを採用した。円盤の回転数は上述の制御系により事前に設定され、最高回転数は6000RPMである。 3.3 接合条件 円盤回転速度 : 1000~4000(R/rpm)、被接合材接近速度 : 0.35 (v1=v2/mm・s-1)、接合速度 : 15(v’/mm・s-1)、寄り代 : 2.7(L1=L2/mm)、摩擦時間 : 6.84(t/s)、とし、接合開始位置は円盤回転軸直下とした。 使用した円盤の材質はSKH51で、0.5mm厚の平板である。界面形状の制御を目的とした実験では、円盤外周部に小孔を複数個所設けた円盤も使用した。なお、円盤は接合後12mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に最低6時間浸漬することで、表面の凝着物を除去し、水洗、乾燥後アセトンで脱脂した。 3.4 接手評価 接合接手は、外観観察、継手断面組織観察、ならびに継手の室温引張試験と破面観察により評価した。外観は、接合時に発生するバリが付いた状態と機械研磨にてバリを除去した状態のそれぞれについて、キーエンス製のデジタルマイクロスコープ : VHX700FSP1344を用いて実施した。 断面組織観察は、継手の縦ならびに横の2方向からの断面について実施した。接合接手に機械研磨を施して鏡面に仕上げた後、化学腐食処理を施して光学顕微鏡観察に供した。高倍率観察時には走査電子顕微鏡を使用した。腐食処理には、テトラフルオロホウ酸4ml、水200mlの分量で混合した溶液を用い、電圧20V、電流2A温度276K、極板間距離50mm、60sの条件で行った。陰極材にはステンレス板を用いた。 室温引張試験はインストロン・ジャパン(株)製の精密万能試験機 : 5567型30KNを用い、初期ひずみ速度ε0 = 5.6 × 10-4 s-1の下で大気中にて実施した。デジタル情報として記録された荷重変位データより、応力ひずみ線図(公称応力と公称ひずみの関係)を得た。継手効率は同種材接合の場合は母材の引張強度に対する割合として算出するが、本研究のように異種接合材の場合においては相対的に低い強度を有する側、すなわちPET樹脂の引張破断強度に対する継手の引張強さの割合をもって継手効率とした。 − 50 −

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