キーワード:積層造形,金属疲労,熱間等方加圧処理(HIP) 図1 オーストリア,ウィーンにあるベルヴェデーレ宮殿(Thermec’2021のHPより引用). 1.開催日時 2021年6月1日~6月5日 2.開催場所 3.2 発表について 本会議では,多岐にわたる専門分野がオーガナイズされているが,中でも積層造形(3Dプリンター)は特別セッションが設けられ,世界的に非常に注目度の高いテーマといえる.筆者らは,積層造形に関するセッションの中で,「Fatigue performance enhancement of selective laser melted aluminum alloy using hot isostatic pressing」という題目で,口頭発表を行った. 発表内容は,レーザ積層造形により作製したAlSi10Mg合金に熱間等方加圧処理(HIP)を施した造形体に関するものである.筆者らは先行研究にて,レーザ積層造形により作製したAlSi10Mg合金の疲労特性1)や,引張特性に及ぼすHIP処理の影響2,3)を調査してきた.しかしながら,疲労特性に及ぼすHIP処理の効果は明らかでなかったため,本研究で詳細に調査した.造形後に内部の空隙が非常に少ない造形体においては,HIP処理を施すと疲労限はむしろ低下するが,内部に空隙が多い造形体においては,HIP処理を施すと疲労限が上昇することがわかり,内部の空隙量によって,HIP処理が疲労特性の改善に有効であることがわかった. 今回の国際会議は,事前に発表内容を録画し,それをHP上から各参加者が聴講するという形式となった.そのため,発表内容についてオンタイムで議論することはできなかったが,本国際会議は何年か後に仕切り直して,再び同地で開催予定とのことである.COVID-19の影響による世の中の混乱が早く落ち着き,安心・安全に開催できる国際会議が復活することを願ってやまない. 本国際会議への参加は,公益財団法人天田財団の国際会議等参加助成(AF-2019238-X1)により行われました.ここに深く感謝の意を表します. 謝 辞 参考文献 れる金属材料等を対象として,最先端の加工・製造技術,構造・特性評価,およびそれらの応用技術に関して多くの研究発表が行われる会議である.本会議は,おおよそ2年に一度のペースで開催されており,世界各国の産業界,大学および公的研究機関等に所属する技術者や研究者が集い,最新の研究成果について活発に議論できる貴重な場となっている. 本会議は,2020年5月にオーストリアのウィーンにて開催される予定であった.しかしながら,世界的に感染が拡大したCOVID-19の影響により翌年に延期され,最終的には現地での開催は見送られ,Virtual Conferenceの形式となった.ウィーンはご承知のとおり,ベルヴェデーレ宮殿(図1)などの伝統ある美しい建物が多く残る街で,本来であればその華やかな街に 1600人を超える多くの人々が集まり,生体材料,熱電材料,ハイエントロピー合金,水素吸蔵合金など,多種多様な新材料に注目した1000件近い研究発表が活発に行われる予定であった.それだけに,現地で直接議論できる機会が失われ,残念で仕方ない. Virtual Conference(オーストリアのウィーンにて開催予定であったが,COVID-19の影響によりWeb開催に変更) 3.国際会議報告 3.1 会議について 本会議は,今回で11回目となる伝統ある国際会議で,エネルギーや航空宇宙分野をはじめ幅広い分野で使用さ大阪産業技術研究所 金属材料研究部 微細構造評価研究室 (2019年度 国際会議等参加助成 AF-2019238-X1) 室長 平田 智丈 1) 平田智丈, 木村貴広, 中本貴之, 軽金属, 70 (2020) 128-135. 2) T. Hirata, T. Kimura, T. Nakamoto, Mater. Sci. Eng. A, 772 (2020) 138713. 3) 平田智丈, 木村貴広, 中本貴之,粉体および粉末冶金,66 (2019) 29-36. − 324 −The 11th International Conference on Processing & Manufacturing of Advanced Materials (THERMEC’2021)
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