キーワード：摩擦攪拌接合，異種金属接合，界面反応層 ２．開催場所 Virtual Conference ３．国際会議報告 3.1 会議概要 2021年6月1日から6月5日にオンラインで開催されたInternational Conference on Processing ＆ 謝 辞 参考文献 Manufacturing of Advanced Mateirals (THERMEC'2021)に参加した．本国際会議は，各種材料，先進材料を含む多様な材料の溶接・接合，AMといったプロセス，さらに先進的な分析・評価法，構造と特性の関係の理解など，材料の製造，加工，構造，特性に関わる広い分野を網羅する国際会議であり，世界各国の産学研究者ならびにエンジニアが一堂に会する．本会議は1988年に第1回が日本で開催され，1997年に第2回がオーストラリアで開催された後，2，3年毎に開催されており，今回は11回目の開催となる．当初，2020年6月にオーストリア ウィーンにてTHERMEC'2020の開催を予定していたが，コロナ禍の影響に伴って1年開催延期となった．最終的にオンラインでの開催に至ったものの，参加者は1400名を上回った． 発表形態は事前に会議ホームページにアップロードされたプレゼンテーション動画の視聴およびチャット機能を用いた質疑応答であり，これらコンテンツを含む会議ホームページは上記開催期間後6カ月間利用可能であった．会議のセッションはAdditive ManufacturingやAdvanced Materials & Surface Treatments for Bioengineering Applicationsをはじめとして28開催された． 3.2 発表概要 報告者は"Welding & Joining of Advanced and Specialty Materials/Friction Stir Welding and Processing"のセッションにおいて，"Characterization of the interfac ial strength for the aluminum alloy/high tensile strength steel dissimilar joint"と題した招待講演を行った． １．開催日時 2021年6月1日～6月5日 大阪大学 大学院工学研究科 （2019年度 国際会議等参加助成（後期） AF-2019065-X2） 助教 松田 朋己 摩擦攪拌接合や摩擦攪拌点接合といった塑性加工を伴う摩擦接合法を用いた固相での異種材料接合が注目を集めており，これら手法では，母材の塑性変形挙動に加えて接合界面に形成される界面反応層の組織形態が継手強度に影響を及ぼすことが知られている．これまでに様々な鉄鋼/アルミニウム材料の組合せについて，反応層厚さに着目した強度特性の整理に関する報告がなされてきた1,2)．一方で，近年の高強度材料開発の中において，接合体の力学特性の変化もまた継手特性に影響を及ぼすことが予想される．特に，異種材料間における特性の差異は強度ミスマッチを生むため，上述の界面反応層と継手強度の関係性にも影響を及ぼすと考えられる． そこで報告者は ，摩擦攪拌接合および接合後の後熱処理によって，任意の界面反応層厚さを有したSUS304/A6061ならびにHT780/A6061の2種類の異種金属継手を作製した．そして試験体に対して微小引張試験を行うことにより，2種類の組み合わせにおける界面反応層厚さと継手強度の関係を調べた．SUS304/A6061と比較すると高い降伏応力を有する鋼材を用いたHT780/A6061継手では，同等の界面反応層厚さ（<1μm）では継手強度が低下する傾向が得られた．微小引張試験を想定した有限要素解析により，異種材間の耐力の差によって生じる界面の主応力の影響によるものと考えられた． 一連の研究結果より，異種材料接合において良好な継手特性の獲得には界面組織だけではなく母材特性をも考慮した制御・設計が重要であることを明らかとし，同時に本質的な界面特性の評価も必要であることを提示した． 本国際会議への参加にあたり，公益財団法人天田財団より国際会議等参加助成のご支援をいただきました．ここに厚く感謝申し上げます． 1) T. Tanaka, T. Morishige, T. Hirata, Scr. Mater. 61 (2009) 756-759. 2) R. Hatano, T. Ogura, T. Matsuda, T. Sano, A. Hirose, Mater. Sci. Eng. A 735 (2018) 361-366. − 314 −International Conference on Processing & Manufacturing of Advanced Materials (THERMEC'2021)
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