I12 54789 図9. 表面レーザー加熱法で作製したYBCO薄膜の77 図10に、表面レーザー加熱法で作製した膜厚1-8 µmのYBCO薄膜の65-77 Kにおける臨界電流の磁場依存性を示す。膜厚5 µmおよび8 µmのYBCO薄膜は、65 Kおよび001×)I+500OCBY002OCBYoitar ytisnetni 002OCBYI(/kaepDRX003.1節では、表面レーザー加熱法を用いてYBCO薄膜を作製し、膜厚8 µmまでa軸配向粒混在率の抑制を行った。この節では、液体窒素中臨界電流試験の結果を示す。図9に、液体窒素温度77 Kにおける単位幅長さあたりの臨界電流Icの膜厚依存性を示す。結果、膜厚5 µmまでIcは膜厚に対して線形に増加し、膜厚8 µmでは1,500 A/cmを示した。市販されているREBCO線材は、最大でも1,000 A/cm程度であるため4)、表面レーザー加熱法を用いた厚膜YBCO薄膜は、市販REBCO線材に比べてIcを50%向上す図8. YBCO薄膜のa軸配向粒混在率の膜厚依存性。 度を1000 ℃に固定して成膜を行った。加熱レーザーの出直は、図5に示したように、膜厚の増加とともに増加した。図8に、Cold wall法と表面レーザー加熱法で作製したYBCO薄膜のa軸配向粒混在率の膜厚依存性を示す。Cold wall法で作製したYBCO薄膜では、膜厚3 µmにてa軸配向粒が70%発生した。一方、表面レーザー加熱法を用いて作製したYBCO薄膜のa軸配向粒混在率は、膜厚8 µmにて10%、膜厚3 µmにて5%であった。この結果から、表面レーザー加熱法によって、a軸配向粒の増大が抑制されることが明らかになった。加熱レーザーの出力について膜厚増加とともに増加させたが、比較として出力を5 Wに固定して成膜を行った。結果として、膜厚8 µmにおけるa軸配向粒混在率は20%であり、出力を段階的に増加させる方が、a軸配向粒は生じなかった。これは、加熱レーザーによる加熱が大きいとき、成膜温度が高く、蒸着面で融点の低いCuの再蒸発が活発に起こり、組成ずれが起こり、析出物や欠陥などが発生する。この析出物や欠陥が原因となりa軸配向粒が発生したためであると考えられる2,3)。成膜後の表面電子顕微鏡像およびエネルギー分散型X線分析より、表面レーザー加熱を用いて作製したYBCO薄膜の表面にはBa-O系の析出物が発生していた。表面レーザー加熱法を用いた成膜においてもa軸配向粒混在率は単調増加しているため、より厚膜のYBCO薄膜の成膜に向けて、化学組成の制御が課題である。 3.2 YBCO薄膜の超伝導特性の膜厚依存性 Kにおける臨界電流の膜厚依存性。 ることに成功した。表面レーザー加熱に用いたCWレーザーの出力は定格15 Wであり、膜厚8 µmにおけるレーザー出力は5 Wであるため、更なる厚膜化に向けてレーザー出力を増加させて成膜を行うことが課題である。 3.3 YBCO薄膜の超伝導特性の膜厚依存性 前節では、表面レーザー加熱法を用いて作製したYBCO薄膜の液体窒素温度77 Kにおける臨界電流の膜厚依存性について説明した。YBCO薄膜は、実用化される際は超伝導電磁石の巻線として使用されるため、外部磁場に晒されて使用される。その際、1 T(テスラ)を超える強磁場中での臨界電流の値が重要である。本節では、東北大学金属材料研究所附属強磁場超伝導材料研究センターにおいて磁場中臨界電流測定を15 Tの強磁場中で測定した結果を示す。 図10. 表面レーザー加熱法で作製したYBCO薄膜の65-77 Kにおける臨界電流の膜厚および磁場依存性。 Cold wall法 表面レーザー加熱法1008060402063Thickness [µm]− 279 −
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