図6 レーザディフォーカスΔfを(a)0 mmおよび(b)0.5 mmとして加工したWC含有量を段階的に傾斜させた造形層のSEM反射電子像による断面微細組織8). X線回折による相同定の結果,Δfが0 mmと0.5 mmのどちらの場合においても3層目はWC相とCo相から構成されていることが確認され,また若干のW2C相も確認された8).また硬度に関して,Δfが0 mmの場合では基材における350 HVから連続的に上昇し,3層目においては1530 HVを示した.またΔfが0.5 mmの場合では,硬度は基材における380 HVから連続的に上昇し,3層目においては1500 HVを示した8). レーザディフォーカスΔfの変化によって造形層にもたらされる特徴的な差異は以下の結果である.図6(a)のΔfが0 mmの場合の2層目では,WC-12wt.%Co造粒粉の初期形状が観察されたが,一方,図6(b)のΔfが0.5 mmの場合の2層目では造粒粉のボンド材は完全に溶融しWC微粒子が2層目全体に均一に分散されていた.この結果は造形ビードの断面観察の結果と一致した.また図6(a)のΔfが0 mmの場合の1層目と2層目の層境界では,溶融池を形成した様子が観察されるが,一方,図6(b)のΔfが0.5 mmの場合の1層目と2層目の層境界は平坦になっており,溶融池を形成した様子が見られなかった.これら図5 レーザディフォーカスΔfを(a)0 mmおよび(b)0.5 mmとして加工したWC-12wt.%Co造形ビードのSEM反射電子像による断面微細組織8). レーザディフォーカスΔfを(a)0 mmおよび(b)0.5 mmとして加工したWC-12wt.%Co造形ビードのSEM反射電子像による断面微細組織を図5に示す8).まず造形ビードの基材への接触角αは,Δfを0.5 mmとしたときが30°であり,Δfを0 mmとしたときの45°よりも小さい.また図5(a)の造形ビード断面には,WC微粒子をCoボンド材で結合させた造粒粉の形状を保ったままのWC粒子がいくつか観察される.一方,図5(b)の造形ビード断面には,造粒粉の形状を保ったままのWC粒子は観察されず,造形ビード全体に均一にWC粒子は分散されていた.これらの結果からレーザディフォーカスΔfを0.5 mmとしたときの方が,Δfを0 mmとしたときよりも高温で造形ビードが形成されていることが判断できる.またΔfが0.5 mmのときにはCoボンド材が完全に溶融してWC微粒子が均一に分散していることから,Coの融点1495 oC以上で造形ビードが形成されたことが判断される. 図6はレーザディフォーカスΔfを(a)0 mmおよび(b)0.5 mmとして加工したWC含有量を段階的に傾斜させた造形層のSEM反射電子像による断面微細組織である8). 図7(a)粒子径約1 μmのWC微粒子をCoボンド材で造粒焼結することで作製したWC-12wt.%Co造粒粉,(b)造粒粉の拡大像,レーザディフォーカスΔfを0 mmの条件で形成した造形層の(c)3層目および(d)2層目の断面微細組織,Δfを0.5 mmの条件で形成した造形層の(e)3層目および(f)2層目の断面微細組織8). − 273 −
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