− 25 −塑性加工塑性加工キーワード連絡先メールアドレスキーワード連絡先メールアドレス[応用分野]公立諏訪東京理科大学 工学部機械電気工学科 助教[応用分野]千葉大学 大学院工学研究院 助教AF-2018038-C2奨励研究助成(若手研究者)AF-2018039-C2奨励研究助成(若手研究者)塑性加工コールドスプレー,メカニカルミリング,冷間圧延,ナノ結晶,金属材料kiyohiro@rs.tus.ac.jp水素脆化水素脆化,格子欠陥,陽電子luca.chiari@chiba-u.jp伊藤 潔洋Chiari Luca3つの塑性加工プロセスに基づいたナノ結晶金属材料の創製鉄系材料の水素脆化支配欠陥の決定レアメタルなどの添加元素によらない金属材料の強化法として結晶粒微細化が有効である.本研究では,ナノ結晶組織に基づく優れた特性を有するバルク材を製造するための新たな塑性加工プロセスを開発することを目的とする.そのプロセスとは,メカニカルミリング(MM)法により処理した粉末をコールドスプレー(CS)法により平板基材上に成膜し,得られた皮膜を基材ごと冷間圧延するものである.純鉄粉末およびSUS410L粉末に対しMM処理を施した結果,粉末組織のナノ結晶化が確認された.各MM処理粉末をCS法によりSS400基材上に成膜した結果,純鉄粉末については厚膜形成に成功した.同純鉄皮膜に対し冷間圧延を施した場合,皮膜のはく離が生じるため冷間圧延は困難であることが明らかとなった.このため,放電プラズマ焼結法による密着強度および機械的特性改善を試みた.その結果,一般的な純鉄の約4倍の引張強さが得られることを確認した.水素環境下での鉄系材料の力学特性の劣化機構は未解明であり,水素社会に向けての課題の一つである。温度可変陽電子消滅法により純鉄やオーステナイト系ステンレス鋼の水素脆化支配欠陥を特定し,脆化機構に新知見を与えた。ひずみ速度の異なる純鉄の温度可変陽電子寿命測定の結果から空孔-水素複合体の検出,ひずみ付与によるいったん生成した空孔-水素複合体の挙動から生成位置の局所化を示した。ステンレス鋼においては,水素誘起組織および加工誘起組織を取り除き比較することで,γ相自体が水素脆化し,空孔-水素複合体が形成していることを示した。それがひずみ不均一領域で局所的に形成・凝集し,空孔クラスターが形成・成長することで破壊の起点となり,水素脆化を引き起こすと考えている。空孔-水素複合体がαʼ相やε相の境界あるいは積層欠陥といった高ひずみ領域に高密度に形成することは水素脆化の支配要因であることを実証することができた。
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