助成研究成果報告書Vol.34
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工(理論角度よりも深く加工されてしまうこと)が生じた図12 パルス間隔が表面粗さに及ぼす影響 図10 パルス間隔がプラズマ発光分布に及ぼす影響 図11 パルス間隔0.2 µmの場合の刃先形成メカニズム における照射範囲が何度も重なっていることを意味する.したがって,初期の加工で加工された加工領域から少しずれた位置にレーザが照射される.以降のレーザはそれ以前の加工により形成された斜面に照射される.その結果レーザ光は反射して谷部のフルエンスが局所的に大きくなる.局在化したレーザ光により,理論的な工具加工面の角度(図2のφ)よりも大きな角度での加工が局所的に生じてしまう.以降,繰り返し走査してもこの局所的な加工を修正することができず大きな谷が形成されたままとなる.その結果,表面の粗さが形成されると考えられる. 一方で,パルス間隔が20 µmでは,加工の進行によらず左右に均一なプラズマ発光が観察された.これは,照射間隔が広いために図11に示した斜面での反射効果が生じていないことを意味する. 最後に図12に異なる3条件における加工面の写真および表面粗さの値を示す.同図よりパルス間隔が2 µmの場合で表面粗さが最適(一番小さい)であることがわかる.パルス間隔が小さい場合は前述の斜面反射に基づく過加 ためであると考えられる.また,パルス間隔が大きい場合では,各パルス毎の重なりが小さく初期に形成された深い溝を平滑化できていないことがわかる. 4.結言 PLG加工で生じるプラズマ発光を観察することで,工具刃先成形過程のインプロセス観察を行った.パルス間隔が異なる3条件でのプラズマ発光観察により,パルス間隔の違いによって工具刃先形成過程のモードが異なることを明らかにした.また,刃先形成モードの違いが加工面の加工後表面粗さに影響することを明らかにした.本研究で開発した刃先形成過程可視化システムを活用することで,PLG加工における表面形成メカニズムの解明が可能になるものと期待される. 1) SUZUKI D, ITOIGAWA F, KAWATA K, NAKAMURA T. Using pulse laser processing to shape cutting edge of PcBN tool for high-precision turning of hardened steel. Int J Autom Technol 2013;7:337-344. 2) SUGANUMA S, ITOIGAWA F, HAYAKAWA S, MAEGAWA S, NAKAMURA T. Enhancing Cutting Performance of Diamond Coating Tool by Edge Sharpening with Short Pulse Laser. Proc Int Conf Lead Edge Manuf 21st Century LEM21 2015;2015.8:0520–1. 3) LIU X, NATSUME K, MAEGAWA S, ITOIGAWA F. Micromachining of polycrystalline CVD diamond-coated cutting tool with femtosecond laser. J Adv Mech Des Syst Manuf 2020;14:1–10 参考文献 − 256 −

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