3・2 パルス間隔の違いが加工プロセスに与える影響 図8と図9にパルス間隔が0.2 µmおよび2 µmの場合のプラズマ発光観察の結果を示す.同図より,パルス間隔が0.2 µmの場合では,5 pass 前後で加工が終了している(図6のパルス間隔2 µmの場合よりも少ないpass数で加工が終了している)ことがわかる.逆に20 µmの場合では100 pass後もプラズマ発光が見られ,加工終了までのpass数が多くなっている. 図10にパルス間隔が異なる3条件の場合(0.2 µm, 2 µm, 20 µm)でのプラズマ発光観察の結果を比較する.ただし,比べるpass数の値は異なっていることに注意が必要である.同図より0.2 µmの場合ではプラズマ発光の分布が左右で非対称になっている様子がわかる.一方で,20 µmの場合では加工が進行してもプラズマ発光の分布がほとん 図7 表面成形過程の様子 図8 パルス間隔0.2 umの場合の観察結果 図6 典型的な観察結果 右の駆動1回を1 passとする)において,レーザ照射一発毎に生じるプラズマ発光の様子をまとめたものである.同図よりpass数が増えるごとにプラズマ発光の強度は徐々に低下して,50 pass時では非常に強度が低く,100 pass時ではプラズマ発光が生じていないことがわかる.これは,100 pass目となる以前に加工が終了し,100 pass目ではレーザ光は材料に照射されてはいるが,工具加工面の角度(図2のφ)がレーザ照射で除去加工ができる閾値以下になっていることを意味する.この閾値は表面の光の吸収率図9 パルス間隔20 umの場合の観察結果 に依存するため,材料毎に異なる値となる.以上より,プラズマ発光の強度変化を観察することで,刃先加工が終了するまでの過程を可視化可能であることがわかる. 図7は図6に示した観察結果を拡大したものと工具表面写真および粗さ曲線を比較した結果である.1 pass目では,プラズマ発光が複数の点として離散的に表れている.プラズマ発光が均一的ではなく,すなわち均一な加工が生じていないことがわかる.粗さプロファイルからも明らかな通り,表面は粗く,局所的で疎らな加工が生じていることがわかる.その後,pass数が増加すると徐々にプラズマ発光は均一化されていき,20 pass目では完全に均一なプラズマ発光が形成されている.同図より,均一化にともない表面の粗さも減少している様子がわかる. 以上をまとめると送り2 µmの場合では,徐々に加工が均一化していき(序盤では粗さの粗いところが選択的に加工されて)最終的に平滑な面が形成されている様子がわかる.また,5, 13, 20 passの発光写真を比較すると明らかなように発光分布の重心は徐々に下方向に移動しているようするわかる.これは,上流側(図1における上側)から徐々に加工が進展していることを意味する. ど変化しておらず明らかに異なるモードでの表面加工が生じていることがわかる. 図11は図10の結果をもとにして,パルス間隔が0.2 µmの場合での刃先形成メカニズムを模式的に表したものである.パルス間隔が小さいということは,各パルス照射(a) 1pass (b) 2pass (c) 5pass (d) 10pass (f) 20pass (h) 50pass (i) 100pass − 255 −
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