図3 光ファイバに形成した高アスペクト比貫通孔のSEM観察結果 図4 (a) 光ファイバ型ピコリットル分光セルによる計測構成外観.(b) 光ファイバ型分光セルの拡大写真. 図2 近紫外フェムト秒レーザーによる光ファイバへの貫通孔形成 図1 フェムト秒レーザーで形成された光ファイバ貫通孔を利用した微少量分光計測の概要. 図2にフェムト秒レーザーによる光ファイバ型分光セ(a) (b) 断面SEM写真を図3に示す.図3は光ファイバ端面全体を撮影したSEM写真であり,白い点線の円は光ファイバコア層とクラッド層の境界を示している.SEM観察から,分光セルが光ファイバを貫通していることがわかる.分光セルは複雑な形状をしていることがわかるが,コア部の分光セルの直径はおよそ3–5 mであり,伝搬光と相互作用する容積はおよそ0.4–1.2 pLと見積もることができる8).分光セルとして用いる際の穴あけ構造の内部表面粗さや周辺のクラックによる影響は,試料の光強度スペクトルと基準となる光強度スペクトルの差分を取得することで低減できる. 3.実験結果および考察 3.1 金ナノ粒子による消光スペクトル取得 光ファイバ型分光セルを用いて,金ナノ粒子の局在型表面プラズモン共鳴(LSPR)現象により生じる消光スペクトルを取得した.図3に示した光ファイバ型分光セルは石英系光ファイバを貫通しているため,液体試料を比較的スムーズに導入させることができる.分光セルに金ナノ粒子分散溶液を注入し,消光スペクトルを取得する手法についての概要を図4に示す.構築した光ファイバ型分光セルの光ファイバ導波路片端にハロゲン光源を接続した.別の片端に,PC制御にて光強度スペクトルを取得できる市販小型分光器を接続し,分光セルを透過する光強度スペクトルことが可能である. ル構築のための概要図を示す.分光セルを構築するために,コア径62.5 m,クラッド径125 mの石英系マルチモードグレーデッドインデックス(MMGI)ファイバを材料として選定した.Ti:Sapphireレーザー(IFRIT, Cyber Laser Inc.)の第二高調波400 nmを使用し,開口数0.65の近紫外用対物レンズを用いて光ファイバへ集光した.加工実験時のパルス幅,繰返し周波数,パルスエネルギーは,それぞれ350 fs,1 kHz,30 Jとした.集光位置は,2台のCCDカメラと3軸稼働ステージを用いて調整した.また,光ファイバを固定するクランプにはステッピングモーターによる回転機構が備え付けられており,光ファイバの側面に対して任意の方向からパルス光を照射できるようにした.パルス光の集光位置は,光ファイバ表面から内部へ50 mの位置となるように調整した.パルス照射数は150回として穴あけ構造を形成した.これまでの加工実験で,材料表面に集光する場合より,集光位置を材料内部に固定した方がアスペクト比の高い穴あけ構造を形成できることがわかっている7).上記条件では,光ファイバを貫通する分光セルは構築されないため,150回のパルス照射後に回転クランプにて光ファイバを180度回転させ,同様の条件でパルス光を照射した.構築した分光セルを含む光ファイバの− 250 −
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