3.実験結果 3・1 常温での成形結果 図4 図5 図6 図6に試験片の外観写真を示す.図6(a)に示されるように粉末は白色だが,図6(b)に示されるように単軸圧粉をすることで試験片が黄土色に近い色合いに変化することが図7にインデンテーション硬さ試験の結果を示す.試験片はせん断ひずみを付与することで,圧粉体に比べ押し込み硬さが2倍以上の高い値を示した.従って,単軸圧縮に加えてせん断ひずみを付与することでZnO粉末粒子の接合状態がより強固なものになると考えられる.この成形性 ヒーター移動板冷却水粉末固定板より粉末から薄板材への成形を行う.温間での加工では,このプロセスの(2)において圧縮を粉末に付与した段階でいったん圧縮応力を除荷し,図4,図5に示される温間システムによって金型を加熱する.所望の温度まで加熱した後に圧縮を再開し,その後は常温と同じように(3)のプロセスにより圧縮応力とせん断ひずみを同時に付与することで成形を行う.加熱温度は300℃とした.また,常温での加工においては,付与するせん断ひずみが成形に及ぼす影響を明らかにするため,単軸圧粉体と移動板を2.0 mm変位させた場合との2種類の試験片を作製した.温間での加工においては,せん断距離が2.0 mmの試験片のみを作製した.すべての条件において,成形する薄板材の目標形状を40 × 10 × 0.25 mm3,付与する圧縮応力を1000 MPa,せん断速度を1.0 mm/minで一定とした. 試験片の成形性を評価するため,インデンテーション硬さ試験により試験片の押し込み硬さを測定した.試験装置にはELIONIX社製ENT-1100bを用いた.圧子形状はBerkovichであり,最大押し込み荷重と保持時間をそれぞれ800 mNと5秒間で一定とし測定を行った.また,試験片の結晶性を調べるため,試験片表面に対してX線回折分析を行った.X線回折装置には,Bruker社製 D8 DISCOVERを用いた.導電率測定には,Loresta GP, MCP-T610(三菱ケミカルアナリテック)を用いた四探針法試験により試験片の体積抵抗率測定を行った.電圧を90 V,常温,大気雰囲気中で測定を行った. 温間システムの外観写真 温間システムの概念図 わかる.この状態の試験片にさらにせん断ひずみを加えることで試験片の色は図6(c)に示されるように濃く,茶色に近くなることが分かった.また,単軸圧粉試験片は脆く,一枚の板材としてハンドリング可能なサイズが図6(b)に示す部分のみであったが,せん断ひずみを付与した試験片は図6(c)のように殆ど目標形状に近い大きさに成形できた.この結果から,せん断ひずみを付与することでZnO試験片の成形性は向上することがわかった. (a) (b) (b) 圧縮前の粉末 圧粉体 圧縮せん断試験片 常温下で作製したの成形体の外観写真 − 241 −10 mm10 mm
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