助成研究成果報告書Vol.34
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図2 単軸試験片形状 図3 試験装置外観図 2・1・3 単軸試験条件 試験温度は,RT(室温),100,150,200および250℃の4条件,引張速度は初期のひずみ速度が0.1,0.01および0.001s-1となるように,試験片平行部が35mmであることから,それぞれに対応して3.5mm.s-1,0.35 mm.s-1および0.035 mm.s-1の3条件とした. 2・2 引込み曲げ試験 板材のプレス加工において,スプリングバックは製品の形状精度に大きく影響する.スプリングバックの大きさは/E(:塑性変形抵抗,E:ヤング率)おおむね に比例するが,マグネシウム合金はヤング率(E)が18GPaと極めて小さいため,スプリングバック量は必然的に大きくなり,その対策は重要である.マグネシウム合金の変形抵抗()は温度とともに大きく低下するので,スプリングバック対策として温間成形は有望である. そこで本研究では,プレス加工で多く見られる変形モードとして引込み曲げを取り上げる.引込み曲げにおけるスプリングバックの実験を室温で行った例は,ハット曲げ形式の実験も含めて,数多く報告されているが3),4),マグネシウムにおける高温での実験報告は見当たらない.本研究では,室温から200℃でAZ31合金帯板の引込み実験を行い,温度と引込み速度がスプリングバックに及ぼす影響を調査した. 2・2・1 供試材 供試材として,2・2・1の単軸引張試験で用いたものと同じAZ31Bマグネシウム合金板を使用した. 2・2・2 引込み曲げ試験方法 a) 試験片 試験片形状を図図44に示す.試験片は平行部長さ265mm,板幅20mmであり圧延方向に対して0°方向にワイヤー放電加工で切り出して用いた.試験片断面積算出のため,試験片平行部の板幅および板厚をマイクロメーターでそれぞれ5点測定し平均値を算出した.試験片は図図55に示すとおり試験機に取り付けるためにダイに沿うように曲げた後,十分なひずみ除去と試験片ごとのばらつきを抑えるため,条件を300℃で30分間として焼鈍した.焼鈍した後,エタノールで試験片表面を脱脂した. b) 試験装置 試験装置全体の概略図をそれぞれ図図66に示す.試験機は大まかにモーター部,油圧部およびダイス部によって構成されている.試験片の両端はチャックにより固定する.試験片のチャックの一方は角ネジと平歯車を介してモーターに接続されており直線運動をする.もう一方はアクチュエーターに接続され油圧サーボシステムによる荷重制御を行う.この機構によって,図図77に示すように試験片に一定の張力および速度の下でダイス肩部に沿った引張り曲げ,曲げ戻しを付加することができる. チャックと角ネジ,アクチュエーターの間にはロードセルが取り付けられており,引き込み力が測定できる.試験チャック部には直線型ポテンショメータがそれぞれ取り付けてあり,試験片の引込み量が計測できる. 試験機はPCによって制御され任意の変位量および任意の荷重を制御プログラム上で設定することができる.モーターはPCで設定された信号により速度制御される.設定信号は,一定速度域とその速度に達するまでの加速度域および設定された変位量でストップするための減速域で構成される速度信号をプログラム上で作成し,その信号をD/Aボードより出力する.なお,モーターはオートレーターにより無断変速制御される.またアクチュエーターは油圧ユニットを動力源としサーボバルブによって制御され一定荷重を試験片に与える.サーボバルブはD/Aボードより出力された信号電圧と,角ネジ側に取り付けられたロードセルより出力された信号電圧との差を0にするフィードバック制御系によって制御する.潤滑剤と潤滑シートを付着させた試験片を装置に取り付け,試験片を目標温度まで加熱した後10分間保持した.10分保持後,試験を開始した. c) 試験片加熱装置 試験片の加熱のためダイスには3本のヒーターが挿入されており,ダイ表面の試験片近傍にはシース型熱電対が取り付けられている.図図88にダイス加− 235 −

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