4.結言 B+CF焼結体ターゲットを用いて,CVA法によるc-BN膜 謝 辞 これまでの実験では,成膜パラメータ(アーク電流,基板バイアス電圧および雰囲気ガス組成)を変化させて成膜した膜の特性を評価してきた.しかしながら,アーク放電によって生成されるイオンの種類やその存在割合など,プラズマ状態は把握できていない.c-BN膜を合成できる成膜条件を導出するためには,膜が形成される環境(プラズマ状態)を把握することも重要と考える.さらに,h-BN膜を得られる成膜条件で,-300 Vのパルスバイアス電圧を印加してもc-BNが主成分の膜を得られなかったことから,さらに高いエネルギーをイオンに付与する必要があると考えられる.c-BN膜を得る成膜条件を導き出すためには,プラズマ状態の把握や基板バイアス方法についての検討が必要と考える. の合成技術を開発するため,膜の組成,構造および硬さ・弾性率に及ぼす種々の成膜パラメータの影響を調査し,以下の知見を得た. 1)c-BN膜の合成に必要なh-BN膜を得るためには,N2ガス分率を増大させ,アーク電流を減少させことが有効である. 2)c-BN膜を得るために,h-BN膜が得られる成膜条件で高い負のパルス基板バイアス電圧を印加したが,c-BNが主成分の膜は得られなかった.そのため,さらに高いエネルギーをイオンに付与する必要があると考えられる. 今後の課題は,h-BNからc-BNへの構造変化を実現する技術を開発することであり,そのためにはプラズマ診断や基板バイアスの方法について検討する必要があると考えられる. 本研究開発は,公益財団法人天田財団2018年度奨励 研究助成(若手研究者)により行われたものであり,ここに深く感謝の意を表します.また,本研究の遂行にあたり,近畿高エネギー加工技術研究所の藤井正氏,ならびに奈良県産業振興総合センターの森田陽亮氏から多大なるご指導を賜ったことに感謝いたします. 1)K. Teii and S. Matsumoto :Diamond and Related Materials, 19(11) (2010) 1415 2)M. Keunecke, K. Yamamoto and K. Bewilogua :Thin Solid Films, 398 (2001) 142 3)三浦健一,小畠淳平,園村浩介,山東悠介,渡辺義人,垣辻篤; 公益財団法人天田財団平成25年度一般研究開発助成AF-2013011. 4)日研ツール株式会社 成田 宏一,大阪産業技術研究所 三浦健一,園村浩介,小畠淳平,垣辻篤,渡辺義人,山東悠介; 特許6778429 5)P. B. Mirkarimi, K. F. McCarty and D. L. Medlin :Materials Science and Engineering. R: Reports, 21(2) (1997) 47 6)V. Linss, S. E. Rodil, P. Reinke, M. G. Garnier, P. Oelhafen, U. Kreissig and F. Richter :Thin Solid Films, 467(1) (2004) 76 7)M. Dinescu, A. Perrone, A. P. Caricato, L. Mirenghi, C. Gerardi, C. Ghica and L. Frunza :Applied Surface Science, 127 (1998) 692 8)T. Tavsanoglu :Doctoral Thesis (2009) 9)J. Kim, Miyake :Transactions of the Materials Research Society of Japan, 32(4) (2007) 869 10)V. Linss, J. Barzola-Quiquia, P. Häussler and F. Richter :Thin Solid Films, 467(1) (2004) 66 S. Nakao, J. 参考文献 Choi and S. − 228 −
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