キーワード:曲げ加工,圧電複合材料,プロセスモニタリング 11 66657202(2018年度 奨励研究助成(若手研究者) AF-2018045-C2) ータ取得が進められおり,製造業においても例外ではなく自動化および生産データの取得し,加工プロセスをモニタリングすることで生産性を高める研究が進められている1).多くの製造業において塑性加工は広く用いられている加工方法であるが,塑性加工におけるプロセスモニタリングには課題が残る.プロセスモニタリングの目的としては加工精度の保証,加工時における良品・不良品判定および加工条件のトレーサビリティなど多岐にわたるが, 1)目標曲げ角度への到達度 2)繰り返し加工時のばらつき の2点をモニタリングすることに大きな利点がある. しかしながら塑性加工におけるプロセスモニタリングは,特に金型を使用するため,金型内部の状況をカメラなどで直接計測することが困難であり,また,金型内部にセンサを取り付けたとしても加工荷重の大きさからセンサに大きな負荷が生じることおよび多点計測のためにセンサ数が多くなり,計測システムとしての信頼性を保つことが難しい. 本研究では,金属コア圧電ファイバ/アルミニウム複合材料(以下Piezo/Alと呼称)2)をセンサとして塑性加工プロセスモニタリングに適用することを検討する.本複合材料はアルミニウムに金属コア圧電ファイバ3)を界面層形成・接合法4)を用いて複合化したものであり,複合化プロセス中に生じる圧電セラミックスとアルミニウムの熱膨張係数の差に起因する残留圧縮応力により,圧電セラミックスの脆弱さを克服したものである.また,本複合材料はセンサとして用いた際に同様のひずみを生じさせてもひずみ方向が変化すると出力電圧が変化する出力電圧異方性を有していることが報告されている5).本複合材料をセンサとして用いることで,優れた機械的性質によるロバスト性と出力電圧異方性を有効に利用することでセンサ数を低減することを意図している. 塑性加工プロセスモニタリングに対する本複合材料の有用性を有限要素法によるシミュレーションを用いて検討を行ったのち,実際にV曲げにおけるプロセスモニタリングを検証することで評価した.モニタリング対象となる塑性加工プロセスは代表的な塑性加工である金属のV曲げとした.この加工プロセス中に,本複合材料の圧電セラミックスはその電極構造に起因した放射状の分極状態をもつため,先行研究により開発された出力電圧算出方法を1.研究の目的と背景 近年様々な分野においてIoT技術を駆使した自動化・デ工学院大学 機械工学科 准教授 柳迫 徹郎 適用しすることで加工プロセス中に生じる出力電圧を算出し,本複合材料が塑性加工プロセスモニタリングに用いることが可能であるかを検討した. 2.実験方法 2・1 有限要素法による検証 図1に示すV曲げ用のパンチ,ダイ,被加工材である金属板,金属コア圧電ファイバ/アルミニウム複合材料のモデルを示す.このモデルを用いて,パンチをy方向に5.1 mm,5.1 mm/sの速度で移動させた際に金属コア圧電ファイバ/アルミニウム複合材料から生じる出力電圧を有限要素解析により算出した.モデル作成にはSolidworks(Dassault Systèmes SolidWorks Corporation製),メッシャとしてMSC Apex(MSC software製),ソルバー/ポスト処理ソフトとしてMarc/Mentat(MSC software製)を用いている.なお,計算コストの節約のため1/2モデルとしてモデルを作成している. 加えて表1に本解析で用いた各材料の物性値を示す.なお,被加工材であるSPCC板は,降伏応力290 MPa,加工硬化係数0.219として塑性加工解析を行っている.加えて,金属基圧電複合材料の取り付け角度を0,45および90°と変化させ,取り付け角度による出力電圧の変化を検討した. Piezo/Ala) モデル概観アルミニウム(5×5×0.55)− 219 −パンチSPCCダイb) 各部寸法金属コア圧電ファイバ(外径: 0.2, コア径: 0.05, 長さ: 5)c) Piezo/Al寸法図1 FEMに使用したモデル. (in mm)金属基圧電複合材料センサによる塑性加工プロセスモニタリング
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