3・3 接合破面観察結果 CFRTPの表層付近の樹脂厚さについて調べるために,CFRTPの樹脂埋めを行いレーザー顕微鏡を用いて観察した結果を図7に示す.図7に示すように,CFRTPの表層付近には縦糸と横糸の境目にあり樹脂厚さが最大で約60μmのResin-rich部と糸が近く樹脂厚さが最大でも3μm程度のFiber-rich部が存在する.試験片の接合破面観察において,図7(a)に示すResin-rich部とFiber-rich部の境界近傍において接合破面観察を行った. 引張せん断試験後のSi-AR,Si-OT,Si-MTのResin-rich部とFiber-rich部の境界近傍のFE-SEMによる破面観察結果を図8-10にそれぞれ示す.破面観察結果から,Resin-rich部付近では樹脂が厚く付着していることが確認でき,凝集破壊が起こっていると考えられる.また,Fiber-rich部付近について観察すると,Si-ARについては破面が全体的に平滑となっていることが確認できた.一方でSi-OT,Si-MTについては,全体的に樹脂が延性的に伸びていることが確認できた. また,Si-MTの表面構造への樹脂の含浸の状態について調べるために,樹脂厚さが小さいFiber-rich部においてアルミニウム合金側の破面観察した結果を図11に示す.図11の観察結果から,最小0.1μm程度から最大1μm程度の窪みが破面上に確認できた. 3・4 プレス成形結果 aPMhtgnerts evisehdA0AR 0 Fig. 6 Effect of adhesive strength on surface nano-structures. CFRTP層の繊維配向と同じ0°/90°方向に対してはあまり変形しておらず,±45°方向に対しては正方形状からひし形状に大きく変形していることが確認できた. FMLの接合条件が各層の変形挙動に与える影響について評価するために,汎用有限要素解析ソフトLS-DYNAを用いてプレス成形シミュレーションを行った.アルミニウム層は弾塑性体シェルモデル,CFRTP層は膜要素とシェル要素を組み合わせたシェル-膜モデルを採用した.成形条件としてパンチが成形時間内に23.5mmの押込み深さに達するように変位制御した.また層間の接合による影響を24.4比較するために,各層が強固に接合された状態と接合されていない状態を層間での摩擦係数の大小で仮定し,異なる層間の摩擦係数条件下で有限要素解析を行った. またSi-MTと比較してSi-OTの方が接合強度の幅が小さくなっていることが確認できた. 以上から,シランカップリング処理を施していない場合とシランカップリング処理を施した場合の両方について,表面ナノ構造の作製による接合強度の向上が確認できた. アルミニウム側にナノ構造を施さずにシランカップリング処理のみを施したもの,ナノ構造とシランカップリング処理の両方を施してプレス成形を行った結果を図12及び13にそれぞれ示す.表面処理条件について比較すると,表面ナノ構造を作製した成形品のみ半球部の赤円で囲んだ部分でのクラックの発生が確認できた.原因としては,表面構造の凹凸部分における応力集中により成形時に破断しやすくなるためだと考えられる.また,アルミニウム層の半球部頂点から各方向への変形について確認すると,302015.310MT22.817.3Si-ARSi-OTSi-MT(a) Low magnification. (b) Resin-rich area. (c) Fiber-rich area. Fig. 7 Resin thickness of CFRTP. − 212 −weft (b) warp (c) CFRTP CFRTP CFRTP 100m 10m 5m
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