3・2 実験方法 図10 キャスト法,押出延伸と鍛造,延伸スクリュー成形図9 延伸スクリュー成形の概略図 (2)成形方法B (押出延伸と鍛造) 形方法Aは成形方法B,Cよりも破壊してせん断応力やねじりモーメントが低下するまでの時間が長く,延性的であることが示された.図13において,せん断強度は成形方法Aと比較してB, Cではせん断強度が44.9 %, 64.5 %向上することが示された一方で,ねじり強度は7.0 %, 15.6 %低下する事が示された.これは押出延伸によって軸方向に配向した分子鎖により繊維晶が形成され,この繊維晶がせん断応力を保持するためにせん断強度が向上すると考えられる.一方でねじりモーメントによって生じるせん断応力は繊維晶間に生じるため,ねじり強度が低下したと考えられる.延伸によるせん断強度の向上とねじり強度の低下は申請者らの過去の調査7)においても同様の傾向が示されている.次に,成形方法BとCの比較から鍛造による影響を調査した.図13よりせん断強度は成形方法BよりもCの方がわずかに高く,ねじり強度では逆に成形方法Cの方がわずかに低い.これは押出延伸によって生じた分子鎖の配向が鍛造中のねじ山の成形時に乱されたことが原因と考えられる. 以上より,延伸したPLAの成形方法を確立することができ,押出延伸によってせん断強度を44.9 %向上する一方で,ねじり強度の低下は7.0 %に留まることが示された.また,成形方法Bにおける押出延伸と鍛造を同時に行う,成形方法Cにおいても,成形方法Bと同様にせん断強度向上が示された.これによって延伸したPLAスクリューの成形方法の簡素化と強度向上を同時に実現することができたと考えられる. 伸スクリュー成形ではM6のねじが切られた2つ割りの金型を使用した.この金型にビレットをセットしてホットプレスを使用して130 °Cに加熱し,潤滑材としてPEG(Polyethylene Glycol)を用いて図9に示すように押切ることで延伸とねじ山の成形を同時に行った. 3・2・1せん断試験 成形したスクリューのせん断強度を測定するためにせん断試験を行った.試験はスクリューがセットされた治具を万能試験機 (AGS-1000A,島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード0.5 mm/minで圧縮することで行った.治具は凸型の治具と凹型の治具の二つの治具で構成され,各治具に空いたネジ穴にスクリューを挿入するようになっている.この治具に圧縮荷重を加えることで上下の治具に挿入されたスクリューにせん断荷重が負荷される.この時の荷重を測定し,最大荷重をスクリューの有効断面積 (40.2 mm2)で割ることでせん断強度を算出した. 3・2・2 ねじり試験 ねじり試験はスクリューの両端にタブとして六角ナットを評価部長さ15 mmとなるように接着し,ねじり試験機(自作)によってねじりモーメントを加えることにより行われた.ねじり試験は回転数0.2 rpmで行われ,ねじりモーメントの測定はトルク変換機 (TP20kCL,共和電業製)を使用した. 3・3 実験結果 成形方法A,B,Cのスクリューにおける外観観察結果を図10に示す.図10より,成形方法に関わらず,スクリューの形状を成形することができた.成形方法Aは半透明である一方で,成形方法BとCでは白色になった.これは押出延伸や鍛造の際に熱が加わることによって結晶化したためであると考えられる. 次に図11にせん断試験におけるせん断応力-試験時間曲線,図12にねじり試験におけるねじりモーメント-試験時間曲線,図13に各成形方法のせん断強度とねじり強度をそれぞれ示す.まずは成形方法Aと成形方法B,Cの比較から押出延伸による影響を調査した.図11,12より,成にて成形したスクリューの外観写真 (1)成形方法A (キャスト法) (3)成形方法C (延伸スクリュー成形) − 207 −
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