2・3・2 複合材料の力学的特性と高次構造に及ぼす引図3 β-TCP含有率及び延伸の有無による応力ひずみ曲線 図2 各試験温度での高温引張試験における最大応力と変図5 β-TCP含有率と延伸の有無による配向係数及び結晶 2・3・3複合材料の力学的特性に及ぼす界面処理の影響 L-乳酸及びステアリン酸を用いて界面処理したβ-TCP含有量30 mass%のβ-TCP/PLA板の引張試験における応力-ひずみ線図を図6に示す.また,図6から得られた引張体(0 mass%)とほぼ同程度の強度を示すことが明らかとなった. 図4 β-TCP含有率と延伸の有無による引張強度と弾性率図4よりβ-TCP含有率の増加とともに引張強度は低下し,弾性率は増加することが示された.これはβ-TCPとPLAの界面で応力集中が生じたために引張強度が低下し, PLA より弾性率が高いβ-TCPとの複合化によって弾性率が増加したと考えられる. 張延伸の影響 含有率を変化させ,延伸を施したβ-TCP/PLA複合材料の引張試験における応力―ひずみ線図を図3に示す.図3において延伸比1.5のPLA単体の試験片において破断ひずみが非常に大きいことからひずみ2.94 %ε以降は試験速度を10 mm/minに変更して試験を行った.図3より得られた各条件の引張強度と弾性率を図4に示す. また,引張強度は延伸によってβ-TCP含有率0 mass%で約1.1倍,15 mass%で約1.49倍,30 mass%で約1.6倍と含有率とともに増加した.これはPLAよりもβ-TCPの弾性率が非常に大きいために,β-TCPは延伸によってほとんど変形しない.このため,複合材料の延伸ではPLA部分がより多く変形することで,分子配向が大きくなったためであると考えられる.そこで,β-TCP/PLA複合材料の配向係数と力学的特性に影響する高次構造である結晶化度の測定結果を図5に示す.この結果,延伸した試験片において,β-TCP含有率とともに配向係数や結晶化度が増加した.ここで,延伸した試験片において結晶化度が増加したのはβ-TCP粒子が結晶核剤として作用し,さらに延伸による配向結晶化も作用したためと考えられる. 以上より,β-TCP/PLA複合材料を延伸するとβ-TCP粒子の剛性が高いために同じ延伸条件のPLAよりも分子鎖が強配向することが示唆された.また,β-TCP粒子が結晶核剤として作用し,同時に延伸による配向結晶化することによって結晶化度も増加することが示された.これらにより,延伸したβ-TCP/PLAの強度は向上し,特に,15 mass%において延伸したβ-TCP/PLA複合材料は未延伸のPLA単形比の比較 (1)引張強度 (2)弾性率 (1)配向係数 (2)結晶化度 の比較 の変化 化度の変化 − 205 −
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