図1 引張試験片模式図(単位:mm) 3.実験結果および考察 3・1 MM法による粉末処理結果 MM処理後の各粉末粒子の粒度分布を図2に示す.図のように,いずれの粉末についても粒径は概ね10~300 µmの範囲にあり,MM_Feの平均粒径は約37 µm,MM_SUSは約43 µmとなった.元の平均粒径に対していずれも増加しており,MM処理により粉末同士の結合が生じたもの図2 MM処理後の各粉末粒子の粒度分布 図3 EBSDによる各粒子断面のIPFマップ 基材側をフライス加工により切削することで試験片厚さを4 mmとした.ロール間の隙間を徐々に狭めることで圧延率が皮膜に及ぼす影響を調査した. 2・4 熱処理方法 後述するように,CS法により成膜した皮膜に対し冷間圧延を施した結果,皮膜にはく離が生じてしまうことがわかった.そこで,熱間圧延の適用可能性を検討するため,MM_Fe皮膜に対し熱処理を行い,熱処理条件と結晶粒径の関係を調査した.熱処理には電気炉(KDF-S70,(株)デンケン)を用い,保持温度を755°C,805°C,855°Cの3条件とし,保持時間は5 minとした.昇温速度は10°C/minとし,保持時間終了後炉冷した.熱処理後,皮膜断面に対してEBSD分析を行い,結晶粒径を調査した. 2・5 放電プラズマ焼結方法 熱処理による結晶粒径粗大化を抑制するため,放電プラズマ焼結(SPS)処理の適用可能性を検討した.SPS処理には,千葉県産業支援技術研究所が所有する住友石炭鉱業(株)製の放電プラズマ焼結装置(SPS-1030)を用いた.保持温度を700°C,740°C,786°Cの3条件とし,保持時間は5 minとした.昇温速度は30°C/minとし,保持時間終了後炉冷した.高温保持中,皮膜表面に対して垂直方向に圧縮応力が50 MPaとなるよう荷重を負荷した.処理後,SPS処理した皮膜および未処理の皮膜から図1に示すような形状の試験片をワイヤー放電加工により切り出し,引張試験に供した.引張試験には(株)米倉製作所製の高温引張観察装置(CATY-T3H)を用い,クロスヘッド変位速度を0.45 mm/minとした.このときの荷重をロードセル(MRDT-2kN,(株)昭和測器)により測定し,試験片平行部に貼付したひずみゲージ((株)共和電業)によりひずみを測定した.各温度で処理した皮膜に対しそれぞれ2回引張試験を行った. と考えられる. EBSDによりMM処理後の各粉末粒子の断面を分析したIPFマップを図3に示す.コントラストの違いは結晶方位の違いを示しており,コントラストの異なる領域がそれぞれ結晶粒に対応している.図から,純鉄およびSUS410L粉末共に結晶粒が1 µm以下に微細化しており,ナノ結晶化していることが確認された.両者を比較すると,純鉄の結晶粒がより微細化している傾向が認められた. (a) MM_Fe (b) MM_Fe(拡大図) (c) MM_SUS (d) MM_SUS(拡大図) 15 µm 15 µm 3 µm 3 µm − 194 −
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