助成研究成果報告書Vol.34
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ˆim,ˆSTDimˆim(m'imaxm'jijˆSLD,miˆSTD,miijˆTDAmkはすべり系等の変形機構を表し,ALD,ATDは相互作用の強さを表す定数である.m'はすべり系間で最小のCRSSと各すべり系のCRSSの比で正規化したSchmid因子で,1軸応力下の各すべり系の活動のしやすさを表し,Normalized Schmid Factor(NSF)と呼ばれる18).右辺第2項と第3項は,それぞれ負荷方向とそれに垂直な方向の領域間の相互作用の強さを表し,それら項中のと()ˆ'STDk,im図10 SOFの概念と計算方法の説明図17),=m+,,+,,,,とkk()(),,(,k)と(,k)(,k)=(,k)=wjiwji,,)))kk),,5.結晶粒間の力学的相互作用の評価■■■■■■解析により,実際の二相チタン合金の組織形態の影響を考慮して,異相間の力学的な相互作用と変形機構の関係を調査できることを示している.チタン合金の疲労や破壊機構の理解には,結晶粒間や異相間の力学的な相互作用と変形機構の関係を理解することが重要である.次章では,この力学的な相互作用を定量的に評価するための環境構築について記す.前述の通り,イメージベース結晶塑性解析を用いると,実際の材料の変形を結晶粒レベルで再現することが可能である.その一方で,実際の材料微視組織を模擬したモデルを用いた解析の結果は複雑であり,イメージベース結晶塑性解析においても,実験と同様に変形機構の詳細を把握することは容易ではない.その問題を解決するため,結晶粒間の力学的な相互作用を考慮して,変形のしやすさを簡易的に評価するための指標であるSlip operation factor(SOF)を構築し,結晶粒間の力学的相互作用の定量化の試みの一つとして,SOFを用いてCP-Tiの結晶粒間の力学的な相互作用距離の定量化を試みた.以下では,SOFの概要を示した後,SOFをCP-Tiへ適用して,その妥当性と有用性を検証する.■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■の構築■・■図10は,SOFの概念を模式的に表している.SOFは,材料に一軸負荷が加わった状態を想定し(図10a),領域間の力学的な相互作用を考慮して,各領域のすべり変形の起こりやすさを評価する指標である.SOFは,領域間の相対位置と距離,各領域のすべり変形の起こりやすさから,各領域の変形のしやすさを評価する.具体的には,図10bに示す様に,対象とする領域iに対して負荷方向に直列な領域jが存在する場合(図10b (i),(ii)),領域iが領域jよりも変形しやすい場合には,領域jが領域iの代わりに変形する.反対に,領域iとjが負荷方向に対して並列に並ぶ場合(図10b (iii),(iv)),領域iが領域jよりも変形しやすい場合には,領域iの変形は領域jによって抑制される.この様な領域間の相互作用を考慮した領域iのすべり変形の起こりやすさが,領域iのすべり変形の起こりやすさと,領域間の相互作用の強さの和で,以下の様に表せるものとする.()Sk'i()k'iは,負荷方向およびそれと垂直な方向の領域間の相対的な変形のしやすさを見積もった値,ˆSTDim以下の様に計算する.を正規化したものである.上式において,θijは領域iからjへの方向ベクトルが負荷方向となす角であり(図10c),|cosθij|,|sinθij|は領域間の相対的な位置関係の違いによる相互作用の強さの変化を表す.m'imaxは,領域iにおけるすべり系間で最大のNSFである.(2)式と(3)式で,領域iとjのNSFの比(m'i(k)/m'jmax,m'jmax/m'i(k))の取り方が異なるが,これは変形し難いHardな領域と変形しやすいSoftな領域の相互作用が,負荷方向とそれに垂直な方向で異なるためである(図10a,b).TDRは,この相互作用の最大値の限界を示す.wLDRとmaxmaxは領域iとjの距離||rij||に依存した相互作用の強さを表す重み関数であり,本研究ではつり鐘型の関数(図10c)を用いた.reLDおよびreTDはそれぞれ,負荷方向およびそれに垂直な方向の領域間の相互作用の影響距離である.上記のSOFでは,単一すべり系が活動する場合にしか対応していないが,複数のすべり系が活動する場合に対応する様に拡張したSOFも開発した17).しかしながら,本報告書では,変形初期の単一すべり系が活動する場合に対象を絞り,以下では,上記単一すべり系が活動する場合に対応したSOFのモデルを使った解析について記す.■・ 解析条件SOFの妥当性の検証のため,CP-Tiの微視組織を対象として,イメージベース結晶塑性解析を実施してひずみの分布を取得し,同様の微視組織画像を用いてSOFを計算し,ひずみ分布とSOF分布と比較した.SOFは領域のすべり()ˆ'SLDk,imは,ˆmˆAmLD()SLDk'i()STDk'iijLDremaxm'j(m'iijTDre (1)minmin(c)LDRmaxTDRmaxcossinSLD,SLD,(2) (3)− 185 −(r(r

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